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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第75話 双子の帰化

 ――フィルの就任騒動が世界を騒がせた直後、俺たちはさらにインパクトのある出来事を迎えることになった。


 それは、フィルの双子の妹――サリーシャとマリーシャが、日本にやって来たことだ。


「おじ様~! ついにサリーシャ、日本に来ました!」

「マリーシャも来た! 勉強する! でも遊ぶ!」


 空港のゲートを抜けてきた二人は、フィルにそっくりの金髪碧眼の美少女。

 そのうえ二人同時に抱きついてきたもんだから、俺は人目もはばからず押し倒されそうになった。


「うわっ!? お、おいおい……ここ空港だぞっ!」

「問題ない! 再会のハグ!」


「ニュースになる! でも気にしない!」


 周囲からカメラのフラッシュ。

 ……はい、案の定次の日にはニュースサイトのトップ記事に載ってました。


 ◇◇◇


 家に連れ帰ってからも、双子のドタバタは続いた。


「おじ様、これなんですか?」

 サリーシャが指差したのは、こたつ。

「日本の魔法道具? 入ったら出られない……危険!」


「違う違う。ただの暖房器具だ」

「でも危険! マリーシャ、もう抜けられない!」

 ……すでに潜り込んだマリーシャがぬくぬくと眠りかけていた。


「こら、出ろ! 晩ご飯だぞ!」

「うぅ……ご飯よりぬくぬく……」


 文化の違いってすごいな、と心底思った瞬間だった。


 ◇◇◇


 さらに言語の壁もあった。


「おじ様、ニホンゴむずかしい。『おじ様』で合ってます?」

「合ってるけど……語尾がおかしいな」

「おじ様、すきすきラブラブ、で合ってる?」

「ちょ、ちょっと待て! 誰に習ったんだそれ!」


 ――後日調べたら、どうやらフィルが教え込んだらしい。


「フィル式日本語。問題ない」

「問題しかないんだよ……!」


 ◇◇◇


 そんなこんなで、サリーシャとマリーシャの日本生活はドタバタ全開で始まった。

 だけど、不思議なことに……その無邪気さと一生懸命さは、すぐに周りを笑顔にした。


「おじ様~、これからいっぱい日本を覚えます! だから一緒に勉強してください!」


「遊びもする! 文化体験! おじ様と全部する!」


「はぁ……仕方ないな。よし、一緒にやろう」

 二人の輝くような笑顔に、俺は自然と笑みを返していた。


 こうして双子の新しい日常が、日本で幕を開けたのだった。


◇◇◇


 ――サリーシャとマリーシャが日本に来てから数週間。

 俺たちの生活は、まるで毎日が文化祭みたいなドタバタの連続だった。


 そして、いよいよ二人は学園生活をスタートさせることになった。


◇◇◇


「おじ様~、見てください! これが日本のセーラー服ですかっ!」

「すっごいです! 可愛いです! おじ様もそう思うでしょう?」


 鏡の前でくるくる回るサリーシャとマリーシャ。

 金髪碧眼に真新しい制服。そりゃ絵になるどころじゃない。

 あまりに似合ってるもんだから、正直、俺は言葉を失ってしまった。


「う、うん……似合ってる。似合いすぎてて怖いくらいだ」

「やったー! おじ様に褒められた!」

「マリーシャ、もっと回る! 見て! ひらひら!」


 スカートをふわっと広げてポーズを決める双子。

 ……はい、俺、もう完全に保護者目線じゃなくなりそうでした。


◇◇◇


 そして、学園初日。


「おはようございまーす!」

「はろー! グッモーニン! おじ様からの送り届け!」


 大声で教室に入っていった二人に、クラス中がざわついた。


「え、だれ? モデル? アイドル?」

「すごっ……外国人? 金髪ツインテとショート?」

「っていうかテンション高っ!」


 双子は言語の壁を物ともせず、持ち前の明るさでクラスメイトに突撃。

 最初こそ驚いていた生徒たちも、あっという間に笑顔に変わっていった。


「おじ様の話したい! でも日本語、ちょっと変!」

「英語もできる! でもカタコト! 助けて!」


「えっと……ゆっくり話せば大丈夫だよ」

 クラスの女子が親切にノートを貸してくれると、二人は目を輝かせた。


「ありがとう! お友達!」

「大好き!」


 勢い余ってハグ。……はい、その日の昼には学園中に噂が広まっていた。


◇◇◇


 放課後、俺は迎えに行った。


「おじ様! 楽しかったです!」

「日本の学校、最高! でも給食少ない! 足りない!」


 どっと笑う生徒たちの輪の中で、双子はまるでアイドルのように囲まれていた。

 その笑顔はまぶしく、俺も胸の奥が温かくなる。


「……やっぱり、来て良かったな」

 そう呟くと、サリーシャがぱっとこちらを向いた。


「おじ様! サリーシャ、明日も頑張ります!」

「マリーシャも! 日本語もっと覚える! だからおじ様、宿題手伝って!」


「……はいはい。帰ったらな」


 俺は笑って二人の頭を撫でた。

 こうして、サリーシャとマリーシャの学園生活は、にぎやかに始まったのだった。


 ◇◇◇


 その日の昼休み。

 学食に向かった双子は、当然のように周囲をざわつかせた。


「これが……日本のカレーライス!」

「ごはんの上にルー! すごい! すごいです!」


 目を輝かせてスプーンを突っ込むサリーシャ。

 隣のマリーシャはサラダを指差し、真剣に眉をひそめていた。


「おじ様、これは……生の草? ヤギのごはん?」

「サラダだよ。野菜。体にいいんだ」

「に、苦い! でも食べる! 健康!」


 涙目になりながらレタスをもぐもぐ食べる様子に、周囲の生徒たちがどっと笑った。


「ねぇ、サリーシャちゃん! マリーシャちゃん! 一緒に食べようよ!」

「うんうん! 席あいてる!」


 すぐに友達ができるのは、この双子の才能だろう。

 俺が心配するまでもなく、彼女たちは自然と輪の中心にいた。


◇◇◇


 午後の授業――体育。

 体操服に着替えた双子がグラウンドに立つと、男子の視線が一斉に釘付けになった。


「わぁぁ……運動場ひろい!」

「ジャージ、すごい動きやすいです!」


 走り出した瞬間、二人は風のようにグラウンドを駆け抜ける。

 運動神経は抜群。バレーもサッカーもテニスも、初挑戦でクラスメイトを圧倒してしまった。


「すごっ……あの二人、反則だろ」

「モデルでスポーツ万能って……チートキャラかよ」


 男子生徒たちの嘆きが聞こえてくる。

 でも本人たちは無邪気に笑っていた。


「おじ様~! 見ましたか!? サリーシャ、点取りました!」

「マリーシャも! 日本一のスポーツ女子になります!」


 いや、もう十分目立ってるから……。


◇◇◇


 下校時。

 昇降口で靴を履き替えていると、双子はクラスの女子たちに呼び止められていた。


「ねえねえ、MINEやってる?」

「インストは? アカウント教えて!」


「えっと…… インスト?」

「写真? いっぱい撮る?」


 慌てる二人に、俺は仕方なく助け舟を出した。


「SNSはまだ不慣れだから、少しずつ教えてやってくれ」

「えー! じゃあ私たちが先生になる!」

「明日から部活見に来てね! 一緒にやろ!」


 気づけば、双子はすっかり人気者だ。

 俺が迎えに来ると、またもや女子たちの輪の中で手を振っていた。


「おじ様っ! 楽しい! サリーシャ、日本の友達できました!」

「マリーシャも! 明日もいっぱい遊ぶ! 勉強も頑張る!」


 その無邪気な笑顔に、俺も自然と口元が緩んでしまう。


「……やっぱり、あいつらは天性の太陽だな」


 こうして双子の学園生活は、波乱と笑顔に包まれて本格的に幕を開けたのだった。






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