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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第34話 楽しくなりそうな予感


 さて、両親を説得するにあたっての壁は紗彩の両親だ。


 フィルの両親はロシア支社の重役である。社長の耳に入る可能性は非常に高いことを懸念してこちらを抱き込んでおく必要があるだろう。


 そちらは紗彩がやってくれることになった。

 俺とフィルは両親に説得力を持たせるためカップルらしいふるまいを出来るように仲を深めることになった。

 いわゆるデートだ。

 そんなことをしている場合なのかとも思ったが重要なことであると三人から言い渡され出かけることになった。


 フィルは一度おめかしの準備をするため自宅に戻っている。デートの衣装を調達するため玲緒奈と一緒にショッピングに出かけるそうだ。


 フィルは身体が小さく体格は玲緒奈が一番近いためアドバイスをするなら彼女が適任だろう。今どきの女子大生のらしくファッションセンスに関しては玲緒奈が一番センスに優れているって話だ。

 それが午前中の事だ。そして午後一番に駅前の噴水で待ち合わせすることになっている。


「隆行、お待たせ……」

「ああ、今来たところ……」

「隆行?」


 目の前には、天使がいた。リボンがあしらわれたカチューシャを身に着けフリル付きのシャツにふんわりスカート。

 しつこすぎない軽めのゴスロリといったところか。正直俺のセンスではウマい表現が見つからない。

 神の芸術とでも比喩すべき輝くような美しさである。


「フィル、どこか変?」

「いや、可愛すぎて見惚れていたところだ」

「よかった。こういうのあまり着ないから少し不安だった。玲緒奈に感謝」


「うん。とても可愛いよフィル」

「……ストレートに褒められると照れる」


 なんつー可愛い生き物だ。無表情に少しだけはにかみ笑顔を見せてもじもじしている姿がとても普段のフィルとは思えない。

「楽しいデートになりそうだ。さあ行こうか」

 俺はフィルに手を差し出す。おずおずと手を握ると小さな手の平から伝わる温かな体温が心地よい。まるで子供と手を握っているかのような微笑ましい気持ちになる。

「隆行の手、おっきくて温かい。それになんだか身体の中からポカポカする」

「多分神力の恩恵だな。そういう効果あるらしいよ」

「ぷぅ。そういうストレートはロマンがない」

「いやぁ、42歳捕まえてそんなロマンあふれるセリフ回し期待されてもなぁ」

「クスッ。そう。確かに隆行らしくなくてキモイかも」

「うわ、すっごい傷つく」

「フフッ」

「おっ、フィルが声を出して笑うって珍しいな」

「隆行の前だと感情が全部でちゃう」


 普段表に出さない感情がストレートに表現されるフィルの可愛さは尋常ではなかった。会社でもこうならさらに人気者になるに違いない。

「隆行以外の人にモテても嬉しくない。鬱陶しいだけ」

「そういうところはストレートなのね」


 逆にそれがいいと冷たくあしらわれることに快楽を感じている一定の層がいるとかなんとか会社では噂になっている。どうもフィルの一見冷たい印象は特定の男性諸君の心を非常にくすぐるらしい。

 本人は迷惑らしいが。


 さて、俺たちのデートはまずフラワーガーデンから始まった。紗彩と一緒に良く出かけるスポットなのだそうだ。

 中にはアミューズメント施設も併設されており、遊園地と植物園が融合したような施設である。


 本格的な絶叫マシンまで用意されておりフィルは目を輝かせている。何度のっても飽きないのだとか。俺はあまりそういうのはあまり得意ではないので二人で乗る時には俺の方が叫び声をあげてしまったくらいだ。


 小さい頃玲緒奈を連れて遊びに行った時も、もっぱら絶叫系は苦手だったな。


「隆行男のくせに情けない」

「面目ない。昔からこればっかりは苦手なんだ」


 神力の恩恵もこういうところでは働かないらしい。俺は足がヘロヘロになりながらフィルに支えられてベンチに座る。

「クスッ。こういう隆行はとても新鮮。いつも会社の出来る男しか見たことなかったから」

「俺そんな風に映ってたのか」

 なんか変なフィルターかかってないかそれ?

 まあ、社長を始めとして俺を評価してくれている人は多い。自分ではそう思っていなかったがどうやら俺は仕事が出来る部類と見られているようだ。


 そのせいかここ最近給料の上がり具合が凄まじい。

 特別手当とかなんとか名目を付けて課長時代の数倍に跳ね上がっているのだ。役員報酬クラスではないだろうか。一流企業とはいえ普通のサラリーマンがもらう額ではなくなってきている。


 まあ今はそんなことはどうでもいいか。

 遊園地を一通り楽しんだ俺たちは隣に併設されているフラワーガーデンへと足を運ぶ。あたり一面に敷き詰められたイエローカラーの花々がカップルを楽しませるスポットになっているようだ。


 今日は気温も冬らしくない暖かさで厚手の上着は必要ないくらいだ。二人で手を繋ぎながら他愛のない話をするだけでとても楽しい。

 おやつにガーデンで人気のケーキバイキングを楽しんだ。


 小さな身体のどこに入っていくのかといわんばかりにもりもりとケーキを胃袋に吸い込んでいくフィルはとんでもなく目立っていた。


「フィルは幸せ。ケーキは人類の宝」

「ははは。フィルは意外と食いしん坊なんだな」

「むぅ、違う。沢山食べるのが好きなんじゃない。ケーキを沢山食べるのが好き」


 二人で笑い合いながらデートの続きを楽しむ。

「隆行、ポカポカしてて気持ちイイ」

 途中ベンチに休んでいるとフィルの方からすり寄ってくる。

「隆行、お願い、ある」

「どうした?」

「少しだけ、眠らせて。隆行の腕の中で太陽を楽しみたい」

「いいよ。おいで」


 フィルの小さな身体を引き寄せて抱きかかえる。華奢な肩を抱えて胸に頭を置かせるとほどなくして寝息を立て始めた。

 端から見ると娘をあやしている父親のようだろうな。フィルの身体はとても小さく25歳の大人には見えない。


 先ほどから周りの視線が突き刺さっている。美少女を抱きかかえて昼寝を楽しむ冴えない男にジェラシックなメンチを切っているのがありありと分かるが、神力を放出して周りを囲むと結界みたいな役割をしてくれたのか近寄ってはこなかった。


 これは便利な使い方を発見したな。人ごみはそんなに得意ではないから向こうから離れてくれるのはちょうどいい。

 二人だけの空間を存分に楽しみながら午後の陽気を美少女と共に過ごす時間のなんと尊いことか。

 可愛い寝息を立てる小さな唇は、思わずキスしてしまいたくなるほどに可憐で美しい。ほんのりとピンク色の乗っかったプルプルの唇を見ていると邪な気分になりそうだ。


 いかんいかん。自重せねば。ただでさえ最近は可愛い女の子に囲まれて理性のタガが外れやすい環境にあるのだ。

「クふぅ……はわぁ……フィル、どのくらい寝てた?」

「ほんの30分ほどだよ」


 小さな口があくびで広がり、俺の胸の中で身体をもぞもぞと動かし伸びをする。

 柔らかいお尻が太ももにあたって擦り付けられ、体が徐々にズレていく。そこには今にも理性の枷を解き放ってしまいそうなヤバイスポットがあり、俺は身体をずらしながらフィルに悟られないように計らった。


 そんな俺の表情を悟ったのかフィルは身体を大きく動かして腕を肩に回してくる。


「隆行……」


 静かな園内。いつの間にか周りには誰もいなくなっており、小鳥のさえずりと木々のざわめきだけがリズムセッションのように耳に届いていた。


 ゆっくりと目を閉じて僅かに上向くフィル。小さな手は俺の胸に置かれ、シャツを掴んで引き寄せようとする。

 俺はその引力に逆らわず、またあえて何をしてほしいか聞くこともなく、フィルに顔を近づける。

 ゆっくりと二人の唇が重なった瞬間。小鳥のさえずりは祝福を捧げるかのように大きくなる。


「……ん、チュ……隆行……好き……」

 潤んだ瞳は俺を捉えて放さず、まっすぐにマリンブルーの宝石が二つ、見つめていた。

「フィル、俺も、君をもっと好きになりたい」

「嬉しい。もっと、キスして」


 俺はそれにこたえるように再び唇を重ねる。太陽の暖かさよりも心地よい、人のぬくもりが伝わってくる。

 フィルの細い腕が肩に回らされる。吸い付いてきた唇を押し付けて舌を差し入れてきた。

 少しだけ面食らったが、そのまま逆らうことなく舌の吸い合いに応える。


 周りには誰もいない。恐らく神力の影響だろうか。見えるところに人の気配がしない。

「ん、くふぅ、ちゅく……チュ……たか、ゆき、好き、大好きぃ」

 確認するように言葉を紡ぎながら唇を濡らす二人の音だけが耳に届く。

 いつの間にか小鳥のさえずりさえも聞こえなくなり、二人の水音だけが響くガーデンのベンチで、俺たちは唇を吸い合った。


「ぷは……柔らかくて、あったかい。フィル、クセになりそう、ううん。なった」

 もう一度、今度は俺の方からフィルに覆い被さる。情熱を増した二人の口づけは、恋人同士の軽いものからいつの間にか性的なそれへと変わりつつあった。


 銀色の糸が二人の舌を繋ぎ橋を作る。潤んだ瞳から溢れた熱は(まなじり)に涙を浮かべているようにも見えた。

「隆行、元気になった」

「ア……悪い」


 仕方ないともいえる。こんな華奢で可憐な美少女と何度も唇を重ねては身体がどうしても反応してしまう。

 するとフィルは小さく笑うと今度は首元に吸い付き始めた。

「フィルも、感じてる。隆行と、つながりたいって」


 ストレートに訴えるフィルの唇から発した言葉は、あまりにも衝撃的だった。


「ねぇ、ここで……シよ」



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