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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第33話 四人目の女


「隆行、フィルのお願い聞いてくれるの?」

「ああ、元部下の頼みだし、紗彩の親友だからな。力になってあげたいと思っているよ」

「ありがとう、隆行。ねえ、フィルね、ずっと言いたかったことがある」

「何かな?」

「フィルは隆行が、好き…。紗彩と付き合ってるのは知ってる。でも、この気持ちは止められない」


「ちゃんと言う前に言われてしまったな。すまん、俺は君の気持ちには気が付いていた。でもそこから目をそらしていたんだ」

「……」

「フィル。俺の抱えている事情を話そう。それを知っても尚、俺の事を好きでいてもらえるかは分からないけど、俺は君の気持ちに対していい加減なことはしないと約束するよ」

「知ってる。隆行はとてもとても誠実な人だから。だから紗彩も好きになった。だからフィルも好きになった」


 掛け値なしの賛美に照れ臭く頬をかいてしまう。

「俺は紗彩と付き合ってる。でも、それだけじゃない」

「知ってる。深雪とも付き合ってる。ハーレム作ってるってこと」

「…紗彩から聞いたのか?」


 俺の言葉にフィルは横に首を振る。

「紗彩は何も言ってない。でも、フィルには分かる。彼女達の感情が、とても嬉しい色に染まってるから」

「色に染まってるっていうのはどういうことだ?」


 フィルのいわんとしていることがよく分からなかった。何かの比喩なのだろうか。

「違う。そのままの意味。フィルには不思議な力がある。人の感情が色で見える」

「な、なんだって?」

「その人が考えてることがおおよそ分かる。嘘を言ってるときは独特の色がある。怒ってるときは燃えるような赤。悲しいときは濃厚な青。嬉しいときは弾むような黄色。恋をしてる時は淡いピンク」

「そうか。フィルは凄いんだな」

「気持ち悪くないの?」

「ん?なんでだ?凄いじゃないか。フィルはそれで沢山の人を助けてきたんだろ?」

「どうして?」

「だって、君の立ち振る舞いはいつだって誰かのフォローだったじゃないか。フィルはいつでも誰かを助けるためにその力を使っていたんじゃないか?そうじゃなきゃ海外事業部であれだけの成績を上げることは出来ないさ」


 フィルの行動はいつだって周りの誰かを助けていた。人の感情が見えるから、人の感情に誰よりも敏感で、傷つかないように立ち振る舞っていたんだ。だからそれが周りの人達を助ける結果に繋がった。

 神力という不可思議な力をもって慣れ始めていたというのもあるが、彼女のこれまでの異常なまでに的確な行動による業績の貢献は、そういう理由があったのだと分かれば納得がいく。


「隆行は、やっぱり不思議な人。最初にあった時もそうだった。フィルは隆行に何度も救われてきた」

「俺何かしたのか?」

「今はいい。紗彩の言った通り、隆行に相談して正解だった」

「紗彩に?」

「そう。困ったことがあったら隆行に言えって。必ず何とかしてくれるって」

「信用されすぎてるな」

「でも、本当にそうなった。隆行は相談に乗ってくれた」

「ちゃんと解決できるかどうかは分からないぞ」

「それでもいい。いざとなったら、隆行の愛玩奴隷になる」

「い、今なんていった?」


「フィルは隆行の愛玩奴隷になる。お願い聞いてくれたらフィルの事好きにしていいから」


 なんとも魅力的な提案だからここでホイホイ首を縦に振るのもなんか憚られるな。確かにビスクドールが意思を持って動いているかのような神秘的な美しさがフィルにはある。

 ガラスビーズのような透き通ったマリンブルーの瞳に眩しいほどの金髪。背丈は小さく無機質ともいえる無表情さが却ってグッとくる。


 およそ人間離れした美貌の持ち主であるフィルから『好きにしていい』なんて言われたらあっという間に狼になってしまいそうだ。

 年を重ねていない20代の童貞だったら一も二もなく肯定していたに違いない。


「いやいや。そんな身を犠牲にするようなことをしなくてもちゃんと力にはなるよ」

「そうなの?フィルの事、嫌い?ハーレムに入れて欲しい。隅っこに飾っておくだけでもいいから。時々愛でてくれればそれでいい」


 随分と謙虚というか。そうまでして俺を好きでいてくれる理由とは一体なんなのだろうか。

「分かったよフィル。多分大丈夫だけど、紗彩や深雪にちゃんと話を通してからだな」

「うん、それにもう一人いる」

「え?」

「紗彩と深雪、それにもう一人隆行からは女の子のつながりが見える」

「よく分かったな。その通り、もう一人いるよ」

「やっぱり。一つは力強く輝くダイアモンドブルー。もう一つは淡く光るライトパープル。それにもう一つ、燃えるようなルビーレッドの色が見える。隆行と繋がってる不思議な光がいくつも見える」

「まさか、それって運命のつながりの色」


 青は紗彩。紫は深雪。赤は玲緒奈の色だ。まさか神力を通じて見えた色がフィルにも見えているなんて。

 感情の色が見えるっていうのは、もしかして神力の力なのだろうか。

 フィルにも神力が備わっている?俺以外に神力を持っている人間がいてもおかしくはないと思っていたが、まさかこんな身近にいるとはな。


「フィル、一つ確かめたいことがある。今から紗彩の家にいこう。深雪に玲緒奈も待ってるはずだ」

「うん。分かった」


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


「おめでとうフィル!歓迎するよ」


 紗彩のマンションに到着するや否や、紗彩、深雪、玲緒奈の三人は既に新たなハーレムメンバーが来ることを知っていたかのように歓迎の準備万端だった。

 テーブルには普段よりも高価な材料が使われた料理が並び、フィルの好きなシャルルドマーニュのショートケーキまで用意してある。


「どうして分かったんだ?」

「神力って魂同士の繋がりが増えたことが分かるみたいなんですよ。今朝がた私たちがフィルと繋がったことが感じられたんです」

「紗彩さんから聞いた時は少し驚きましたけど、フィルさんは確かに他の人とは違う神秘的な雰囲気がありますからねぇ」

「フィルさんって滅茶苦茶綺麗ですね!わたし憧れちゃいます!」


 俺の方は全く気がつかなった。女の子の方が先に気が付くなんて、一体どうなってるんだ?

 しかもフィルは運命の女性に必ず見えていた光が見えていない。にも関わらず彼女達は既に繋がっていることを知覚している?


 うーん、分からん。

「多分なんですけど、私にしか備わっていない能力だと思います。深雪さんも玲緒奈ちゃんも見えていないみたいなので」

「紗彩、フィル、隆行の事好きになってもいいの?」

「うん。フィルは隆行さんの事好きなんだよね?私はフィルと一緒に隆行さんを愛していけたら凄く素敵だと思う」


「もしかして…フィルを解決課に引き入れたのは」

「はい。私がスカウトしました。深雪さんを通じてフィルにも解決課の仕事を手伝ってもらって隆行さんとつながりを深めようと思ったんです。その前に問題が解決して解散になっちゃいましたけどフィルの気持ちは知っていたから。抜け駆けしちゃったお詫びも兼ねてたんです」

「それは気にしてない。紗彩が隆行の事を好きなのはフィルよりもずっと長くて深かった。恋は奪い合い。それが普通。でも、一緒に好きになれるなら、こんなに嬉しいことはない」


 いまだに彼女との運命のつながりが見えない理由は謎だが、もしかしたら関係ないのかもしれないな。

 運命の女性であろうとなかろうと、俺の事を好いてくれるという気持ちがあり、それを彼女達が受け入れればつながりは生まれるらしい。


 無意識に神力で繋がれるのは運命の女性だけだって決めつけていたが、そんなことは関係なく俺が受け入れれば大丈夫なのかもしれない。


「隆行、フィルは、隆行が好き。紗彩よりもずっと後だったけど、フィルも隆行に恋してた。だから、フィルの事も受け入れてくれる?」

「ああ。ずっと目をそらしててゴメンな」

「気にしない。多分、フィルの方が本心を隠してたから」

「どういうことだ?」

「こういうこと……」


 フィルは目を閉じて静かに佇んだ。すると彼女の身体周りから徐々に光があふれ出してくる。

「こ、これって……」

「わわ、凄い、フィルリーナさんの色って黄金なんだ」

「あらあら。やっぱり運命の女性だったんですね」


「これって一体どういうことだ?」

「フィルはずっと自分の気持ちを隠してた。隆行が神力に目覚めるまで、ずっと待ってた」

「神力の事を知ってるのか?」

「夢の中に誰かが出てきた。フィルと隆行は運命で繋がってるって教えてくれた。そして、フィルが特別な力を持ってるってことも、その使い方も教えてくれた。今まで無意識だったけど、ちゃんと使えるようになった」

「え!?そ、それって、まさか、それって神様!?愛従事者管理統制神っていってなかった!?」

 紗彩は驚きに眼を見開いている。


「ううん。フィルの『異次元同一個体』って言ってた。名前は、思い出せないけど、フィルと同じ存在っていうのが分かった。多分、紗彩に話しかけてきた神様とは違う存在。でも、異次元の隆行とは特別な絆で繋がった一人だっていってた」



 するとフィルの身体を覆っていた黄金の光が一層輝きを増し、部屋全体を包み込む。

 そして俺たちの頭の中に様々な記憶の映像が見えてくる。イヤ、蘇ってきたといったほうが正しいのだろうか。


 過去、様々な時代で俺たちは出会ってきた。かつて一人一人が夫婦であり、兄妹であり、パートナーだった過去世の記憶。

 それら全てを思い出すことが出来た。


「最近までずっとそのことを忘れてた。でも、多分隆行が神力に目覚めると同時くらいのタイミングに、再び思い出した」


 そうだったのか。俺たちは遠い昔から絆同士で繋がり合った家族だったんだ。

「フィルじゃないフィルが全部教えてくれた。フィルの不思議な力、それは全部神力っていう力だって。そして、フィルは隆行に出会うために生まれてきたってことも。フィルはちょっとだけ怖かった。神力が無いと隆行はフィルに振り向いてくれないかもって。だから気持ちを確かめるまでは、神力のつながりは隠してた。隆行は感情の色が見えないから」


「え、どういうこと?」

「多分、フィルより位の高い存在だからだと思う。向こうのフィルもそれっぽいこと言ってた」


 なるほど。俺の神力も元々は俺の持っている力だって話だったから素養みたいなものが働いていたのかもしれないな。



「隆行、改めて言う…フィルは、隆行が好き。フィルを女として受け入れて欲しい」

「分かった。俺もフィルの事は信頼している。これからお互いをもっと知っていこう」


 これで四人目。いよいよ大所帯になってきたな。まずはフィルの抱えている問題を解決してやらなくてはな。具体的な話はそれからだろう。


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