第28話 温かい家族
「よし……じゃあ、始めるよ」
「うん。最初は、優しくしてね」
「ああ、分かってる」
玲緒奈の頬が赤く染まり、恥ずかしそうに目を閉じる。
俺はそっと彼女の身体を抱き寄せ、重なり合うように寄り添った。
「ひゃぁ……っ!」
彼女の体が小さく震える。
昨夜初めて結ばれたばかりの玲緒奈は、まだ慣れない感覚に戸惑っているようだ。
「大丈夫か?」
「……わかんない。でも……お義父さんと一緒なら……」
俺はその不安を包み込むように、指を絡めて手を握り、優しくキスを落とした。
甘えるように声をもらしながら、玲緒奈は猫みたいに俺に頬をすり寄せてくる。
「ん……もっと、して……」
胸の奥がきゅっと締め付けられる。
無邪気に甘える姿は、ただ可愛いだけでなく――俺をどうしようもなく惹きつけてやまない。
そこへ、柔らかな腕が背中に回された。
「隆行さん、玲緒奈ちゃんばかりじゃなくて、私たちも忘れないでくださいね♡」
「ふふ……彼女が疲れすぎないように、私たちも支えてあげませんと」
左右から紗彩と深雪が寄り添い、俺の腕に頬をすり寄せてくる。
そのたわわな感触に思わず呻くと、玲緒奈がくすぐったそうに笑った。
「ひゃあ……♡ また、熱くなったぁ」
三人に抱きしめられる幸福感に、理性が揺らぐ。
でも不思議と荒々しい衝動ではなく、ただただ彼女たちを大切にしたいという思いが胸を満たしていく。
「……もう、ダメだな」
優しく名前を呼びながら抱きしめるたび、心の奥から幸福感が溢れ出す。
その感情は――スピリットリンクを通して、全員に伝わっていった。
「……はぁ……すごい……あったかい」
「ええ、本当に……お腹の奥まで満たされるみたい」
「お義父さん……幸せ……もっと一緒に……」
不思議なことに、俺が抱いた想いが三人全員の胸に広がっていく。
互いの幸福感が循環し、まるで同じ夢を見ているように心が一つになる。
「また新しい力が芽生えたみたいだな」
「はい……皆の心がひとつに溶け合ってる気がします」
「隆行さんと繋がっているだけで、こんなに幸せになれるなんて……」
玲緒奈、紗彩、深雪――三人の笑顔に囲まれ、俺はただ強く抱きしめることしかできなかった。
「……愛してる。三人とも」
耳元で囁くと、同時に小さな声が返ってきた。
「私もです」
「ずっと、側にいますから」
「お義父さん、大好き……」
四人の想いが一つになった夜は、限りない幸福感で包まれていた。
「ふふ……みんなで汗を流しましょうか」
「そうですね。隆行さんの身体も、私たちで綺麗にしてあげたいです」
「お義父さん……一緒にお風呂、入りたいな」
三人に両脇を抱えられるようにして浴室に連れて行かれる。
広々としたバスルームに湯気が立ちこめ、窓越しに見える夜景が揺れている。
「さあ、王様。どうぞ座ってください」
「うふふ、私たちが心を込めておもてなししますからね」
紗彩と深雪が笑顔でタオルを手に取り、玲緒奈も真似をして俺の背中にぴたりと寄り添う。
あちこちから当たる柔らかな手のひらがくすぐったく、思わず苦笑した。
「……なんだか、洗ってもらうというより、くすぐられてる気分だな」
「もう、我慢してください♡」
「お義父さんの背中、大きくて……頼もしいな」
三人が代わる代わる俺の身体を洗いながら、笑い声を弾けさせる。
その様子はどこか祭りの余興のように明るく、くすぐったいほどに幸福だった。
――そして、全員で湯船に浸かる。
肩を並べて、互いの温もりを確かめ合うように。
「ねぇ……こうして一緒にいるだけで、すごく満たされる」
「ええ……。きっとスピリットリンクのおかげですね」
「でもそれ以上に……隆行さんが大切だから、かな」
玲緒奈が俺の腕にそっと頬を寄せ、紗彩と深雪が優しく微笑む。
胸の奥からあふれてくる幸福感に、ただ「ありがとう」と呟くしかなかった。
目を覚ますと、窓から差し込む朝日が部屋を黄金色に染めていた。
隣には、三人の寝顔。
寄り添い合い、安心しきった表情で眠っている。
「……綺麗だな」
昨夜の熱を感じさせないほど安らかな寝顔を見て、胸がいっぱいになる。
これほどの幸せを手にしてしまっていいのだろうか――そう思うほどに。
俺はそっと彼女たちの髪を撫で、心の中で誓った。
「必ず守る。みんなのことを」
小さな寝息と共に、穏やかな朝が始まっていった。
朝日が差し込むリビングには、焼き立てのパンと紅茶の香りが漂っていた。
テーブルには紗彩と深雪が用意してくれた朝食が並び、玲緒奈は少し緊張した面持ちで椅子に腰を下ろす。
「お義父さん……じゃなくて、隆行さん」
玲緒奈が真っ直ぐに俺を見る。その瞳には揺るぎない光が宿っていた。
「私……娘じゃなく、一人の女として、隆行さんと生きていきたいです」
息を呑む俺に、紗彩と深雪が顔を見合わせ、微笑む。
「……分かってたことです」
「そうですね。だからこそ、改めて言ってもらえて嬉しいです」
深雪が玲緒奈の手を取り、紗彩が続ける。
「玲緒奈ちゃん、これからは“私たちの家族”だよ」
「ようこそ、私たちの仲間に」
玲緒奈の目から涙がこぼれ、ぎゅっと俺の腕に抱きついてきた。
その姿を見ながら、俺も胸の奥から誓いがこみ上げる。
「……ありがとう。必ず幸せにする。みんなを」
次の瞬間、深雪がシャンパングラスを持ってきて笑う。
「それじゃあ、家族が一人増えた記念に――乾杯、ですね」
俺たちはグラスを合わせ、まるで小さな結婚式のように声をそろえた。
「これからも、よろしく!」
一晩中かけて愛し合った紗彩、深雪、玲緒奈の三人。
限りない数の膣内射精を受けて三人とも艶のある寝顔で気持ちよさそうに寝息を立てている。
既に朝陽が昇って会社に行かなければならない時間は迫っているが寝不足であるにも関わらずまったくと言っていいほど眠くならない。
「ん……おはよう、お義父さん」
「おはよう玲緒奈。体は大丈夫か?」
「うん。昨日紗彩さんが言っていた通り疲労感はあるけど他は調子がいいみたい。体の中身が入れ替わったみたいにすっきりしてる」
「そうか。無理はしなくていいぞ。学校も今日は休んでいい。問題は今日にも決着はつくからな」
「え、本当に?」
「ああ。玲緒奈にちょっかいを掛けるように指示したのは俺の会社の人間であることが分かっている」
「ふぁあ、おはようございます隆行さん」
「昨夜はお楽しみ出来ましたねぇ」
紗彩、深雪も順次起き出してきてシャワーを浴びる。流石に今日は朝からハッスルしている時間はなかったので我慢したが、一緒にふろ場に入ると危険だな。主に俺の理性が。
なんたって無遠慮に誘惑してくる困ったちゃんが三人もいるのだからたまらない。
三人の誘惑をなんとか堪え切って朝食を取りつつ会社に向かう。
今日は玲緒奈が留守番している間に部屋の掃除をしてくれるらしい。広い家だから掃除も一苦労だが普段はハウスメイドを雇って掃除しておいてもらうらしい。
やはり金持ちのやることは違う。
そんな広い家なので主にサイドビジネスに使うPC部屋には入らないようにだけ言って後は自由に過ごしてくれて構わないと玲緒奈に伝えていたところをみると既に二人は打ち解けているようだ。
神力の恩恵が地味に仕事をしている。
恋人たちはすぐにお互いを理解し合っており、紗彩は玲緒奈に家の鍵まで預けていた。
基本的にオートロックだが特殊なコピー不可のカギを持っており、同じものを俺と深雪が持っているのみになる。
「よし、じゃあ会社に行くとするか。玲緒奈、さっきもいったけど玲緒奈に関する騒動は近いうちににも解決するだろうから、学校やバイトにいっても大丈夫にしてやるからな」
「うん、分かった、待ってるねお義父さん」
さあ、一連の事件もこれで解決するといいな。




