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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第27話 人を超えた力


「こんばんわ皆さん」

「な、なんだよオタクは!」

 オタクはお前らだろうが。ま、俺も人の事は言えんが。

 壁の影に隠れて店の様子を伺っている男連中に声をかけた。黒い煙を放っているのが何を意味しているのか正確には分からないが玲緒奈に害をなそうとしているのは何となく分かる。


「娘がお世話になっております。玲緒奈の父ですよ」

「え、ま、まさか、こいつがお父さん彼氏!?」

 オタク連中は明らかに狼狽した様子で後ずさる。やっぱり玲緒奈の事を狙っていやがったのは本当だったようだ。


「若すぎんだろ。何がファザコンだよ。やっぱり彼氏がいたんじゃないか!!」

「クソビッチが!俺らを騙しやがって」


 怒り顔で玲緒奈を罵る男連中に気分が悪くなる。アイドルの熱愛発覚みたいなものだからショックを受けるのは理解できるがそれで玲緒奈を責めるのはお門違いだろう。


 だが俺も迂闊だった。俺の姿は42歳にしては若すぎる。恋人たちにとっては良いことだろうが、このケースでは最悪の印象を相手に抱かせてしまったことになった。ついつい怒りに任せて名乗りを上げてしまったことを後悔した。


 だが丁度いい。彼らの敵意を玲緒奈だけではなく俺に向けさせることが出来れば玲緒奈に危険が及ぶ可能性が低くなる。

 いや、狙われることに変わりはないだろうが、脅威がちゃんと近くで見張っていることを相手に理解させれば報復を恐れて近寄ってこなくなることを願うしかない。


「実はあなた方が玲緒奈を突け狙っているという情報を手に入れましてね。その真偽を確かめに来たのですよ」

「な、なんだよそれは。ぜんぜん知らないな」

「そうだそうだ。言いがかりだ」


 まあそうなるわな。奴らはしらを切っている。まだ証拠は何もないので当然そうなるだろう。


 だけど問題ない。今ので彼らが明確に敵だということが確信出来た。

 何故なら奴らを覆っている黒い煙が更に色濃く、どす黒くなり、その感情が嘘であると俺に伝えてくれたのだ。


 俺は物言わず彼らに近づいていく。すると明らかに怯えの色を見せて後ずさりし始めた。

「君たちは昼間に玲緒奈の大学で待っていただろう?彼女に何か用事だったのかな?」

 特に凄んでいるわけではない。しかし彼らは明らかにおびえている。どうやら俺が意図的に神力を込めて近づいているのが功を奏しているようだ。


 何故彼らが黒い煙に覆われているのかは分からないが、敵意であることは分かった。ならばそれに対抗するために神力を用いてみたが、どうやらこれは威嚇の効果もあるらしい。


 界○拳でも使っている気分だな。自分の能力が上がっているのが実感できる。

「誰に頼まれた?」

「え……?」

「しゃべってくれれば危害は加えない。話してくれよ」


 奴らを睨みつけながら鎌をかけてみる。根拠があるわけじゃない。何となく先日のチンピラ連中とは無関係ではない気がするのだ。

 根拠はない。だが妙な確信がある。これも神力がもたらした恩恵なのだろうか。直感なのに予知に近いような感覚。

 そう、知っている、といったほうが正しいかもしれない。


 俺はその感覚を確かめるように頭に浮かんだビジョンの印象を口にする。

「50歳くらいの男。サングラスをかけていて背は高くガッシリした体型。真っ黒な服。スーツだな」

 一つ一つの項目を並べ立てていく。

 オタクたちはみるみる蒼褪めていき狼狽が強くなる。

「お、おい、やっぱりバレてるよ。やべぇって」

「バッカ!あてずっぽうだろ?」


「なるほど、あいつから金をもらったんだな。玲緒奈を攫って篠宮隆行に写真を送りつけろ、か。ド素人の皆さん使ってよくやるもんだ。完全にしっぽ斬り要員だな」


 俺は確信に満ちた目を向けて男たちとの距離を詰める。

「す、すす、すみませんでした!」


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 俺が無言で距離を詰め続けた結果、彼らは自分たちを雇った男がいたことを白状した。

 不思議なことだが彼らの言葉はパニックによって支離滅裂であるにも関わらず、言葉の裏側にある真意みたいなものが伝わってくる。


 頭の中に取引現場のビジョンが浮かんでくるのだ。まるで超能力者にでもなったようにドンドン状況が理解できた。


 どうやら、水無月の社員で俺を貶めようとした奴の差し金らしい。

 なんと説明したらいいだろう。それに連なる項目がドンドン頭の中に浮かんでくるのだ。超能力で探偵業やったら解決できない事件はなくなるんじゃないかな。


 でも玲緒奈や紗彩、深雪に害が及ぶであろう項目やそれに類することしか分からない点をみると、これもやはり俺に害する者の情報しか手に入れられないということなのだろう。

 俺にとってはそれで十分だ。


 早速紗彩と深雪に連絡を取って今後の動きについて相談することにした。

 玲緒奈との顔合わせもあるからな。


 あ、そうそう。玲緒奈に張り付くストーカー君たちには今後二度と玲緒奈に近づかないように『ご挨拶』申し上げておいた。

 あれだけ真摯にお願いしておけば約束は守ってくれるだろう。神力というのは普通の人間にとってはかなり刺激が強いらしい。覇○色の覇気とか使えるようになった気分だ。


 車を取りに行って店の前に到着すると、何やら店長さんと他のキャスト達が玲緒奈と一緒に立っていた。

 どうやら他のみんなも帰らずに一緒に待っていてくれたらしい。


「いい仲間を持ったな」

「うん。みんな凄く心配してくれた」


 紗彩のマンションに向かいながら先ほどのストーカー君たちの詳細を玲緒奈に伝えた。

 安心したように胸を撫でおろしている。だが念のため俺の周りの問題が解決するまではまだ安心できないのでしばらくは紗彩のマンションでかくまったほうがいいだろう。


 30分ほど走って紗彩のマンションに到着する。あまりのデカさに見上げながらポカーンとしている顔が可笑しくてつい笑ってしまったが初めて見た時たぶん俺も同じ顔をしていたんだろうな。


「ようこそ玲緒奈さん。お待ちしていました」

 出迎えてくれた紗彩は歓迎ムードで玲緒奈を待っていてくれた。

 深雪も玲緒奈のことは以前から話していたので打ち解けるのは早かった。


「すんすん、やっぱりお義父さんから香ってくるのは紗彩さんと深雪さんの匂いですね」

「え?そんなに匂うかな?」

 紗彩は自分の脇の下やらなんやらに鼻を鳴らしている。

「はい、お義父さんから紗彩さんと深雪さんの香りがたっぷりしました。紗彩さんは優しくて柔らかい匂い。深雪さんは力強くて包み込んでくれるような大きな匂いがします」

「あらあら。嬉しいこと言ってくれますねぇ」

「お二人の匂いが特に強いです。他にもいくつかするけど、恋人さんはまだお二人だけなんですよね?」


「うん、そうだね。っていうか、私たちの他にも女性の匂いがするってこと?」

「はい。えっと」


 玲緒奈は俺の身体に鼻を突けてスンスンと鳴らす。しばらく身体中を嗅がれて妙な気分になりかけたところで離れると、「うーん」と唸りながら額に手を当てる。


「すくなくとも、あと二人分くらいです。一つは、とっても意志が強くて確信に満ちた香り。もう一つは弱弱しいけど、とっても純粋な想いに満ちた匂いです」

「それって匂いなの?」


 もはや匂いで分かる範疇を超えているような気がするけど、玲緒奈は随分と自信をもってそれを感じているらしい。

 でも今日オレも似たような経験をしているな。もしかして手に入れる能力って女性の方も同じような能力を持っているのだろうか。


「さあ、美味しいものいっぱい作っておきましたから、玲緒奈ちゃんのハーレム入りを祝してお祝いしましょう」

「え?」

「どうせなら皆で楽しくハーレムライフを送りましょうと思いましてね。紗彩さんと二人で相談して新しく迎え入れた女性は積極的に歓迎しましょうということになりました。これから沢山の女性が私たちの仲間になるでしょうから」

「最初から歓迎ムードで迎え入れれば余計な軋轢を生まずに済みますよね」


 二人は二人なりにハーレムの在り方について考えてくれていたみたいだ。

 玲緒奈もそのことに安心したのか食事をとりながらすぐに二人と仲良くなってくれた。もともと社交的で明るい子だから人嫌いになることはないだろうと思っていたが、実はヤンデレだと告白された時は二人に合わせて大丈夫だろうかと少しだけ思ってしまった。


「それじゃあ、ハーレムの新しい仲間も入ったことですし、交流会の仕上げに入りましょうか」

「仕上げ?」


 疑問を呈すると二人の瞳が蠱惑的に俺を捉えていることに気が付く。

 ははぁ、なるほど。しかし大丈夫かな。いきなりだぞ?


「玲緒奈ちゃん、隆行さんの身体は一つしかありませんから、エッチするときは一緒にすることも多くなると思います」

「そうですね。私もある程度予想はしてました。なれるなら早い方がいいですよね」


「うふふ、今夜も隆行さんは寝られそうもありませんねぇ♡」


 六つの眼が煽情的な色を帯びて俺をロックする。四つん這いに近づいてくる三人の美女に、心臓が高鳴るのが分かった。



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