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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第23話 娘の悩み


 OH・マイ・ドーター……

 玲緒奈は運命の女性だった。

 彼女の身体からは燦燦と照り付ける太陽か、轟轟と燃え盛る赤い炎のような光が放たれている。


 いやいや落ち着け。半ば覚悟していたことじゃないか。

 いくら事実が発覚したからといって俺たちの関係が変わるわけではない。

 彼女が俺を親として慕っているのは変わっていないのだ。


 いや、もしかしてそうではないかもだけど。

 そこら辺の感情はまだうまく伝わってこない。心同士が繋がる条件というのがどういったことがきっかけなのかいまだによく分からないのだ。



 それに今日は娘の悩み相談がメインなのだ。まずは今日のデートをしっかりと行い、そのうえで彼女が抱えている悩みを聞いて解決する。

 それが今日の本懐だ。


「さあ、今日はなにか相談があるんだろ?食事の店を予約してあるからそこで聞こうじゃないか」

「うん!」


 玲緒奈は俺の腕に絡みつき身体を押し付けてくる。

 フワッとした甘い匂いがする。既に何か香水をつけているのだろう。

 恋人のように腕を組んだ俺たちはいつものように目的の店に向かって歩き出した。


「お義父さん凄く若くなってるからびっくりしちゃったよ。一瞬誰だか分からなかった」

「嫌いになったか?」

「まさか!すっごくかっこよくて素敵だよ!」

「はっはっはお父さん照れちゃうなぁ」


 端から聞いていれば親子の会話だろう。

 ちょっと行き過ぎている感は否めないが俺たちにとってはいつもの事だ。

 周りの生暖かい視線には慣れている。


 俺たちは適当な会話をしながら目的の店へと向かう。

 最近のバイト先での出来事や俺の会社での出来事など、お互いの近況を報告し合うのが俺たちのデートトークの定番なのだ。


「すんすん……お父さん、なんだかいい匂いがするね」

「そうか?」

「うん。まるで女の人が使ってる香水のような。お父さん、彼女出来た?」


 さすが女の子。こういうことは鋭く見抜いてしまうのだな。

 後でちゃんと話すつもりだったが早くもバレてしまっては仕方ない。


「ああ、あとでちゃんと報告するつもりだったけどな。実は付き合い始めた人がいるんだ」


 正確に言うと人達であるが、そこを言うとこじれることは確実なので言わないことにする。

 嘘と秘密は違うのだ。余計なトラブルを引き起こすことが分かっていて正直に喋るのはあまり賢い判断ではないだろう。


「そっか、ひょっとして昨日はお楽しみだったのかなぁ?すっごく濃厚な香りがするよ。エッチな香りだね」


 悪戯っぽい表情でからかうような声を出す。

「ははは、玲緒奈には敵わないな」

「もう!減点!ダメだよお父さん。女の子はそういうのに敏感なんだから。デートの前にそんな濃厚な女性の香りがついてたら一発で浮気がバレちゃうよ!」


 確かに昨晩は相当濃厚に交わったが、ちゃんと風呂も入ったし服も洗い立てのものを着用している。

 デート用に駅のトイレで着替えてきたくらいだ。


「ごめんごめん気を付けるよ。折角のデートなんだ。野暮な指摘はなしにしよう」

「あー、誤魔化した~。娘とデートする前日に他の女と濃密になるなんてサイテー。そういうお父さんはもう手つないであげないんだから」

「それは困る。玲緒奈に嫌われたら俺は死ねる。謝るよ。なんでもするから許してくれ」

「なんでも?ほんとに?」

「うん。なんでもするよ」

「じゃあキスして」

「おいおい二十歳の娘が父親に言うことじゃないぞ」

「なんでもするって言ったよね?」

「それはそうだけどな」

「うふふ、冗談」

「あ、こいつめぇ」

「えへへ」


 そんなやり取りをしながら俺たちは店に向かった。

 良かった。昨日のエッチがバレた時は一瞬ヒヤリとしたが冗談めかしてくれて助かった。

 娘とはいえ流石に照れ臭い。いや、むしろ娘だからこそ恥ずかしい。



「ほら、お父さんからのプレゼントだ」

「わぁああ、凄い!胡蝶蘭だ!綺麗だなぁ♡」


 予約していたパスタ料理の店に到着し二人で席に座る。敷居に囲まれているため半分個室みたいなものだから周りの眼を気にせず親子の時間を堪能できる。


 屈託のない笑顔で喜んでくれる娘に俺も顔がほころんだ。

「ありがとうお義父さん!」

「それからこれもな」

「わっ!わっ!なぁにこれ。開けてもイイ?」

「勿論だよ」


 玲緒奈は胡蝶蘭を大切にバックにしまい、プレゼントのリボンを外し始める。

「うわぁ!可愛い香水♡これ高かったんじゃない?」

「そうでもないさ。玲緒奈のためならどうってことない値段だよ。お父さん昇進したんだ。給料だってグンと増えたから全然平気だよ」

「そうなんだ!おめでとう!嬉しい!ありがとうお義父さん!本当に嬉しいよ!」


 天使のスマイル。これだけでも俺が今日ここに来た甲斐があったというものだ。

 実際部長に昇進したのと【解決課】の手当てを合わせるとかなりアップするらしいと聞いているので給料日が楽しみである。


「さて、今日は急な変更だったから何か相談があるんだろ?まずはそれを聞いておこうか。よっぽど緊急なのか?」


 その話題を振った玲緒奈の顔に影が差す。実はさっきから妙に明るく振舞っていることに奇妙な違和感を覚えていた。


 なにやら無理して明るく振舞っているような、わずかな違和感を覚えたのだ。

 恐らく相談事と直結しているのだろうことは予想出来ていたのであえて指摘しなかった。


「私がメイドカフェの店員やってるのは話したよね?」

「ああ、人気者だってな。ホームページに名前が載っていたな。4年連続全国1位なんてすごいじゃないか」

「うん、みんなが応援してくれるから、それはすごく嬉しいし、やりがいも感じてる。でも、私はあくまでメイドカフェの店員はアルバイトのつもりなんだけど、最近社長が私をスカウトしたがってて、社員として働かないかって」

「まあ企業って視点から見れば稼ぎ頭ってことだからな。スカウトするのは自然な流れだ」

「うん、そこは理解できるし、私もそこまで自分を買ってくれる社長さんの熱意に押されて、このまま社員もイイかなって思い始めてたの。大学の卒業までちゃんと待っててくれるし、今まで学生だから押さえてたアイドル活動も本格的にしていってもいいかなって思ってる」


 ちなみにだが、キングキャッスルのキャストの女の子はユニットを組んでアイドル活動みたいなことをするのが仕事の一つに入っているらしい。


 キャストの握手券とかのグッズや写真集を出してその売り上げの一部をバックしたりと、手厚いバックマージン体制で人気の職業になるのも分かる。


「そうか。まあ就職先が確保できているのは学生にとってはいいことだとは思うけど」


 しかし彼女の顔色は優れない。

 どうにも他のところに悩みの種があると考えた方がよさそうだな。


「問題はそこじゃなさそうだな」

「うん。実は、最近あとをつけられているみたいなの。ナンパも前より多くなってきて、今日みたいに凄く下品なこと言われることが多くなってきた」


 なるほど。身近にいるアイドルみたいなものだからストーカーややっかみの嫌がらせを受ける可能性も十分ありうる。


 このどちらかと仮定した場合、後者の方が濃厚だろう。

「玲緒奈を疎んでいる奴に心当たりは?」

「分からない。みんな仲はいいけど、中には私を良く思ってない人もいるとは思う」

「あいつには相談したのか?」

「してない。お母さん、最近彼氏が出来て家に帰ってこないことが多くなってきてるの。やり手の社長さんらしくてすっごくラブラブみたいで邪魔したくないなって」


 そうか。あいつにもいい人が見つかったか。

 だが娘の悩んでいる時期にタイミングが悪いというか。

 ならここは父親の出番だな。


「よし、分かった」

「え、お義父さん?」

「お父さんに全部任せておけ。玲緒奈は可愛いからな。ストーカーもやっかみも受けてしまうのは仕方のないことだ。だったらお父さんが守るのは当然だ」


「ほ、本当に!?」

「勿論だ。娘の為に父親が動かなくてどうするんだ」

「ありがとう……良かったぁ」


 玲緒奈は心底安心したようで、胸を撫で下ろして涙ぐんでいる。

「差し当たって安全の確保が最優先だろう。今日から俺の家に泊まりにくるといい」

「お、お義父さんの家!?」

「男の一人暮らしだから嫌かもしれんが、家に一人でいても不安だろう」

「い、嫌じゃないです!むしろご褒美!」

「玲緒奈?」

「あ、ううん、なんでもない」


 うーん、この反応はやはり「そう言う事」なのだと認識した方が良いみたいだな。


「いったん家に戻ってもいい?着替えとか取ってきたいんだけど」

「ああ、勿論だよ。母さんになんて言うつもりだ?必要なら俺から話すよ」

「……いいよ。どうせ今日もいないから」


 なるほど。これはかなり問題が根深そうだな。

 玲緒奈の精神的ストレスの原因はあいつにもありそうだ。


 多分家庭の事もあって無理して明るく振る舞っていたのだろう。


 俺たちは玲緒奈の家に行くために店を出る事にした。



 だが、そこでトラブルが発生した。


「へへへ、おじさんよぉ、さっきはよくもビビらせてくれたな」

「その女置いていけば半殺しで済ませてやるぜぇ」

「女の方は無事な身体じゃなくなるけどな!ギャハハハハ!」



 なんてベタな展開だろうか。

 さっきのナンパBOY達が今度は徒党を組んで団体様としてご来客してきおった。



「雇い主からたんまり金貰ってるからな。どっちにしてもあんたはボコらせてもらうぜ」


 ピクリ、と俺のこめかみが動いたのがわかった。

 なるほど。玲緒奈じゃなくて俺のお客さんだったのか。


 どうにもキナ臭くなってきたもんだ。


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