表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/25

第2話 突然の不幸




「‥‥‥ん……」


 ここは、会社のオフィスか。そうだ。仮眠をとっていたんだった。

 さっきのは夢だったのかな。

 いい人だったけどどうせなら皺枯れた婆さんじゃなくて妖艶な美魔女のほうがよかったなとか思ったが。


 コトリ……


 何かが転がる音がして振り向くと、そこには見たことがある小瓶が一つ。


「夢じゃ、なかった……」


 机の上に転がるように置いてあったそれを手に取って観察すると、確かに夢でみた橙色の液体が入った小瓶がある。


『一週間夢のような幸運を味わうことが出来る』

 ゴクリ、と喉がなる。


 正直興味がないといえばウソになる。

 普通に考えれば「そんなバカな」と一笑に付してもいい案件だ。


 しかし、俺はこのところ感じる人生の空虚さというものに嫌気がさしていた、というのもあるのだ。


 一週間。たった一週間ではあるが、夢のような幸運を味わうことが出来るという。

 味わってみたいじゃないか。


 ……。


 何をバカな。


 阿保らしい。いや、すまん嘘だ。正直言うと興味半分とおっかなびっくり半分というところだ。

 若干恐怖が勝っている。

 チキンと笑わば笑え。


 大体、そんな夢のような快楽を味わってしまったらそのあとの人生が余計虚しくなってしまうではないか。


 充実した人生とは自分で勝ち取ってこそだ。他者から与えられた幸運なんて何の意味がある。

 などとチキンな自分に言い訳しながら、その日は帰宅の途についた。

 結局は捨てられずにいるわけだが。


 劇的な変化は次の日に起こった。




 ◇◇◇◇◇◇◇◇


「篠宮君、明日から来なくていいから」

「は?」


 部長から耳を疑うような妄言を聞いた気がする。

 はて?俺がこなくていい?

 おかしなことはしていないはずだが‥‥‥。


 耳の機能がおかしくなってしまったのかと一瞬疑うほどに予想していなかった事態に俺は狼狽する。


「つまりクビだよクビ。強制退職ということだ。会社にあれだけの損害をもたらしておいてよくも堂々と出勤出来たものだね」


 昨日まで温厚な態度で俺に接していたはずの部長が異常なまでに怒り顔で俺を糾弾する。


 しかし当の俺はといえば身に覚えがなさ過ぎてひたすら「?」を浮かべながら状況に混乱するしかなかった。


「部長、お怒りを買うことを覚悟の上でお尋ねします。私は一体何をしたのでしょうか?」


 これだけ混乱をしている中で状況の確認をする俺の判断力を誰か褒めて欲しい。

 俺は混乱する頭の中で懸命に自分に落ち度がないか探った。


「呆れた男だな。君が……」



 告げられた理由は全く持って理解不能な出来事だった。

 曰く、俺が昨日の残業で組んだプログラムがコンピューターウイルスで、会社のシステム全体をダウンさせた。

 それどころか侵入したウイルスは拡散型プログラムによって会社の機密を世界中にばら撒くという大暴走をしてしまったらしい。



 うん、どこから突っ込んでいいのか分からん。

 まず俺はプログラムなど組んでいない。単に事務作業的な手入力をいくつか行っただけだ。


 ちゃんといつも通りの手順でいつも通りの仕事をしたに過ぎない。

 大体そんなことは少し考えればわかるだろうに、今会社はダウンしたシステムの立て直しで上を下にの大騒ぎとなっておりそれどころではなかった。


 部長の言い方はさっさと邪魔者は消して仕事に戻りたいといった感じだ。


 取りつく島もなかった。



 ◇◇◇◇◇◇◇



 結果、俺は即日辞職を申し出た。

 会社も早く厄介払いしたいのが見え見えで速攻で受理。


 正規の手続きを諸々すっ飛ばして普通ならありえない速度で会社を去る事になったのだ。


 いったい何が起こっているのか全くわからない。

 オカシイだろ!


 混乱していた頭が冷静になるにつれて徐々に怒りが湧き上がってくる。

 普通に考えれば会社側に社員を強制的に退社させる権限はない。

 しかし、あの状況を見て俺が今後あの会社でうまくやっていける自信はなかった。


 故意にせよ偶然にせよ、俺が流したプログラムが会社全体を混乱に陥れて大騒ぎになっている。という認識をしている彼らは明日からまともに接してはくれないだろう。


 結局は自分の正当性を訴えるよりも自己保全が勝ったのだ。


 ま、考えようによってはしばしの自由を手に入れた。

 ためていたアニメの録画を一気に消化するチャンスだとでも思えばいいだろう。

 再就職という関門は待っているものの、幸いにして外に遊びに行く趣味もなかった俺は自宅にこもってネットが休日の過ごし方だったため貯金もある。


 恐らく数年は悠々自適に暮らすことが出来るだろう。実際は数か月も骨休めをしたら再就職のための活動をするつもりだ。


 引きこもりになってしまってはいかん。

 日曜日も毎日続ければ日常と同じになってしまう。外でアクティブに過ごす習慣のない俺はあっという間に出不精になってしまうだろう。


「篠宮課長!」


 大卒から20年近く勤め上げた会社を後にしようとしたその時、後ろから聞こえる可憐な声に振り返る。


「やあ水無月君」


【水無月 紗彩(さあや)

 この会社の社長令嬢だ。親の七光りで入ったと揶揄する者もいるが、それは単なる嫉妬であり彼女自身はとても優秀な社員である。


 俺の部署で直属の部下として何かと俺をサポートしてくれた恩人だ。

 彼女がいなかったら俺は部署で長としてやっていけなかっただろう。


 人を立てて自分は控えめのおしとやかなお嬢様だ。新人で入社したころから何かと俺のサポートを買って出てくれていた。

 そしてとんでもない美人でもある。心なしか後光が差しているように見える。


 しっとりとした長い黒髪に少し垂れ目がちな眼。

 スタイルも出るとこは出て引っ込むところはしっかりと……と、いかん。

 部下をそんな邪な目で見てはいけないのだ。いつセクハラで訴えられるか分かったものではない。



「私、篠宮課長が会社を貶めたなんて信じません。どうして自分の正当性を訴えないんですか!?」

 彼女は健気にも俺の潔癖さを疑っていないようだ。

 これだけでも救われる。


 他の奴らはそれどころではなかったせいもあるが早く出ていけと言わんばかりの眼付だった。

「ありがとう水無月君。でも私なんかに構っていると他の人達から嫌な目で見られてしまうから早く仕事に戻りなさい」

「私、信じてます。篠宮課長は絶対潔白だって。必ず課長の汚名を雪いで見せますから。だから、戻ってきてください。いつか必ず。そのためなら私、何でもしますから」


 必死の訴えで両手の拳を握りしめる水無月さんを可愛いと思いつつも、あいまいに答えるしかなかった。

「そうだね。私もそうしたかったが、結局は自己保全の道を選んでしまった。本来ならだれに揶揄されても会社の復興に尽力するべきところを逃げ出したのだ。君のような優秀な社員が私なんかに構っていてはいけないよ」


 そこまで言って後悔した。

 彼女の眼には今にもこぼれそうな大粒の涙がたまっており、俺を睨んでいたのだ。


「すまない。君を悲しませるつもりはなかった。ただ、私の意気地がなかっただけなのだ」


「……わかりました」

 彼女はそのまま踵を返してオフィスへ戻っていった。

 心にチクリと棘が刺さるような痛みが走った。


 すまん。もっとカッコいい男になりたいが、恨みがましい視線の中でそれでも会社のために貢献しようとするほど漢気はないのだ。


 ああ、もっとカッコいい男になりたいものだ。



 それにしても、彼女がぼんやりと光って見えたのは一体なんだったのだろうか?

 気のせいではない。

 本当に光って見える……。なんなんだろうか?


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 不幸ってやつは続くらしい。

 自宅のアパートに戻ろうと帰りの道を歩いていた俺は弁当でも買おうと駅に隣接しているチェーン店のテイクアウト弁当の店に立ち寄った。


 せっかく自由な身になったのだから少し贅沢な食事でもしようと思ったが、別段そういうのが趣味でもない俺は何を食べていいのか分からず結局いつも立ち寄る弁当屋で食事を調達することにした。


 いつものようにチキン南蛮弁当に唐揚げを二個トッピングしてお金を払う。

 ちょっとした贅沢でご飯は特盛にしてもらった。

 なに?みみっちい?


 いいじゃないか。長年の癖ってやつだ。ホットホット亭のチキン南蛮は絶品なんだぜ?



 そしてアパートに帰ろうとした道のりを歩いている時だった。突然背中に衝撃が走る。

「ごへっ?!」


 思わず変な声が出てしまうほど突然の出来事に前のめりに倒れこみ頭を強打した。

 脳がぐわんぐわんと揺れて意識がもうろうとなる。


 そして背広の内ポケットを弄られている感触を感知した瞬間物取りであることは明白だった。

 案の定財布を持ち去ったフードを被った数人の男たちが走り去っていく。


「ま、まて……」


 声を絞り出すが眩暈がしてしまい走って追いかけることも出来なかった。

 やべぇな。キャッシュカードやクレジットカードなんぞ持って行っても暗証番号が分からなければ使い物にならない。


 しかし今の世の中そういうのを専門に扱っている悪人もいるだろう。安心はできない。

 既に強盗は見えなくなるほど走り去ってしまい顔も確認できていない。


 俺はすぐに警察署に被害届を出しにいき、クレジットとキャッシュカードを停止する手続きを行った。

 差し当たっては明日さっそく銀行に新しいカードを発行しにいかないといけないな。


 平日に行くことが出来る身に本日なったばかりの俺は落ち込んでも仕方なしと気を取り直し、その日は自宅に戻ることにした。


 だが……


「しまった…なんて迂闊な馬鹿なんだ俺は」


 今日に限って自宅のスペアキーを財布に入れたままだったのだ。

 先日スペアキーの一つが古くなって扉にあわなくなってしまったので鍵屋に作ってもらいそれを受け取った時に無くさないように財布に入れておいたことを忘れていた。


 そして財布には免許が入っている。

 自宅の住所もばっちり記載されているためそのカギが何に使うのか一目瞭然である。


 ご丁寧に『スペアキー(自宅)』とタグをつけて保管した己の迂闊さを呪う。

 警察署に訴えに出ている隙にものの見事に空き巣に入られ自宅はPCから何から価値あるものは根こそぎ奪われた後だった。


 俺は先ほど被害届を出したばかりの警察署にとんぼ返りするという憂き目にあった。

 冷静に考えれば電話で呼び出せばいいものを。

 相当パニくっていたと見える。


 警察官の哀れむような眼と優しい言葉にちょっと泣きそうになった。

 しかし同情はされても経済的支援をしてくれるわけでもなし。


 差し当たって俺がしないといけないのは自宅は危険なので宿を探さなければならないが、実家は県外だ。

 それも飛行機を使わないと今日中に到着できないくらい辺鄙なところにある。


 と、そこで俺の携帯が着信音を響かせる。

 ディスプレイを見るとお袋だった。このタイミングでお袋からの電話なんて嫌な予感しかしない。


 頼むからオレオレ詐欺に引っかかったなんてベタな展開は勘弁してくれよ。


『隆行!いわれた通り2千万口座に振り込んどいたよ!会社の金を使い込むなんて恥晒しなことをして!これであんたとは親でもなければ子でもない。あとはどこへなりとも好きにやんな!じゃあね!』


 ブチっ……


「オーマイガー……ベタどころか予想を振り切ってやがった」


 俺はとにかく誤解を解くために再度電話をしたが、見事に着信拒否されており全くつながらない。


 ため息をつきながら思い込みの激しいお袋にあきれ返る。

 息子のために貯金をはたいて振込してくれるなんざ親心に溢れているとは思うが、聡いあの人がこんな単純な手に引っかかるのは……いや、俺も悪いのだ。


 耳の遠くなり始めているあの人をいつまでも田舎暮らしさせてしまっているのだ。

 思い入れの強い実家から離れたくないっていうお袋の意見を尊重して実家を離れたのは俺の方だしな。


 まあ仕方ない。思い込みの強いあの人だけどバカではない。そのうち冷静になって誤解は解けるだろう。

 幸いうちは実家の資産だけはあるから2000万くらい失ってもあの人は痛くも痒くもないだろう。


 俺も親の資産に頼って暮らすのは情けないという理由で実家に頼ったりはしてこなかったが、今回ばかりは早めに誤解を解いておかないといけない。


 口では強いことを言っても寂しがりやな面もあるお袋だ。俺も親との関係を誤解させたまま放置するほど薄情な息子にはなりたくなかった。


 だが当面の問題として俺は自分自身の身の振り方を考えなければならないだろう。


 会社をクビになって財布の財産も失って自宅も鍵も物取りに盗られたままだから安心して眠れるわけがない。


 カプセルホテルにでも入ろうかともネットカフェに行こうかとも思ったが先立つものがないのだ。

 仕方なく俺はスーツのまま夜の河原ですっかり冷めきったチキン南蛮弁当を食べる羽目になった。


 泥棒にどつかれてひっくり返ったがちょっとシェイクしたくらいで食えないこともない。


「はは……タルタルソースが付いてないじゃないか……」


 弁当屋のチキン南蛮はタルタルソースにつけて食うから美味いのに。

 こんなところまでツキが落ちているみたいだ。


 俺はモソモソになってしまったチキン南蛮弁当を頬張って涙ながらに腹を満たした。


 空腹が満たされて疲れがどっと押し寄せてきた。

 じわじわとした眠気に襲われ、河川敷の高架下を屋根代わりに人生で初めての野宿をするハメになった。


「おい、ワシの縄張りで勝手に寝るとはいい度胸だな!酒を持ってないなら出ていけ!」


 と思っていたらホームレスの爺さんに追い出されてしまった。

 取り付く島もなく叩き出された俺は途方に暮れて街灯も少ない河川敷をトボトボと歩く。


 流石に一日のうちにこれだけ不幸な目にあうと精神も参ってくる。

 とはいえ、俺は別段絶望しているわけではない。


 確かにとことんついていないがすぐにキャッシュカードは保護されたのだ。

 世の中金だ、とは思っていないが金がないと生きていけないのも事実だ。


 会社を混乱させたのはともかくとして、自宅に侵入されたのは自分の間抜けが原因なのだ。

 戒めとして今後の教訓にするしかあるまい。


 朝になれば銀行でキャッシュカードを作りお金をおろすことも出来るだろう。

 引っ越しも検討しないとな。


 河川敷を追い出された俺はリスキーだが公園のベンチで寝ることにした。

 今が冬でなくてよかった。


 肌寒くはあるが耐えられないほどではない。

 幸いにして寒さには強い方なので、俺は街灯の明かりが照らす薄気味悪い公園で一夜を明かした。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


「じゃあ身分証明書を出してください」


 俺はどこまで迂闊なのだろうか。

 財布ごと奪われたのだから身分証なんてあるわけない。


 そういえば警察署で免許の再発行に関して手続きしていなかったな。言ってくれればいいのに。

 いや、人のせいにしてはいかん。

 気が付かなった俺が悪いのだ。


 そうだ、身分証の代わりになるものが部屋に残っているかもしれない。

 世の中何をするにも金がかかる。


 まずは身分証の再発行だけでも迅速に行わなければ。

 俺はとにかくアパートに戻ることにした。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 ついていない、というか、もはや何かの陰謀に巻き込まれたのではないかと疑わしくなる。

 というか、そうとしか考えられん!


 俺のアパートの前にたむろしているのはなんとも言えない黒い連中だった。


 明らかに堅気の人間ではないチンピラ風の男が三人、煙草をふかしながら周りをうかがっている。

 まるで誰かを待っているかのように。


『闇金』


 俺の頭の中にはすぐにそんなワードが浮かんだ。

 昨日の今日だぞ?早すぎないか?


 だがあの手の連中には常識は通用しない。

 俺がいくらまっとうなことを訴えても屁理屈をこねて最後は暴力に訴えるだろう。

 あるいは執拗な嫌がらせ。


 どちらにしても今捕まるとろくでもないことになるのは明白だった。



 警察に相談して対応してもらおう。


 俺がそっとその場を離れようとした、その時だった。


「離して下さい!!」

「あんた篠宮さんの女なんだろ?だったらあんたが返してくれてもいいんだぜぇ」


 俺があれこれ思案していると、玄関の方で何やら言い争っている声が聞こえる。


「水無月君!?」


 そこでチンピラに腕を掴まれているのは昨日会社の前で泣かせてしまった水無月紗彩君だった。

「私は篠宮さんに用があってきたんです。離してください!」

「こっちも篠宮さんに用があるんだよ。奴が借りた金を返してもらわないとな」

「なんですって!?篠宮さんが借金を?一体いくらんですか?」


「あんだよ、もしかしてあんたが払ってくれるのか?」

「いいでしょう」


 おいおい、なんで借りてもいない借金を彼女が払う必要がある!?

 言いがかりをつけられるのがオチだ。早く逃げるんだ。


「1000万だ。耳をそろえて返してもらおうか」

「い、一千万……なんでそんな大金を!?」


 1000万!?なんだそのバカげた金額は!?


「払えねぇってか?じゃああんたには身体で稼いでもらおうか」

「いや、離して!!」


 急展開すぎる状況に混乱する。

 しかし、水無月君を完全に巻き込んだ形になってしまっている。

 ここで誤解を解かないと彼女に被害が及んでしまう。



 チャポ


 ふと、液体が揺れる音が耳に入る。

 俺は背広のポケットに入れっぱなしだった例の魔法薬の事を思いだした。


 そうだ、一週間、夢のような幸運に恵まれる。

 あの婆さんはそういった。


 であるならば、この状況を打破するためには。

 意気地なしで臆病者の俺に勇気を与えてくれるのは。


「とりあえず事務所に来てもらおうか」

「ぎゃははは、上玉だからすぐに売れっ子になるぜぇ」

「いやあああ、離してぇ!」


 ええい(まま)よ!!


 俺は小瓶を取り出し蓋を開け怪しい婆さんからもらった怪しさ満点の魔法薬を思い切り飲み干した。

 柑橘系の爽やかな香りが鼻を抜ける。

 勢いよく飲んでむせそうになるが気力と根性でなんとか中身を空になるまで飲み干した。




 俺は瓶を投げ捨てて車に連れ込まれそうになっている水無月君の元へと走った。

 何か身体の底から変なパワーが湧き上がってくる気がした。



『システム開始の合図を確認。篠宮隆行の潜在能力の開花を開始します』


 夢中になって走っている俺には頭に響く奇妙な声に耳を傾けている余裕はなかった。


「待ちやがれチンピラども!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ