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42歳バツイチ 神様になってイチャLOVEハーレムを作る!  作者: かくろう


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第17話 ハーレムってのも大変だ

 俺が深雪と結ばれ、二人の恋人と共に暮らす“ハーレム生活”を始めてから数日が経った。

 夢のような毎日。二人の美女に囲まれる幸せに浮かれそうになる自分を、何とか律している。いや、むしろ浮かれないほうがどうかしている。アイドルや女優でも滅多にいないレベルの美貌を持つ二人が、俺の恋人なのだから。


 深雪も奉龍院との誓約を破り、敵対する立場となった以上、安全な場所にいた方がいいということで紗彩のマンションに身を寄せた。こうして俺たちは共同生活を始めたわけだが――そこで最初に話し合ったのは「ハーレム生活を秩序あるものにするためのルール作り」だった。


「隆行さんって、やっぱりそういうところ真面目ですよね」

「お堅い人間と笑ってくれてかまわんよ」

「私は良いと思いますよ。これから人数が増える可能性を考えるなら、二人だけの今から基礎を作っておくのが正解でしょう」


 三人で相談し合い、意見を出し合っていく。


「まずは……やっぱり私たちだって一人の女ですから。二人っきりになりたい時ってありますよね」

「そうだな。やはりそこは大事だろう」

「うん、私もそう思います。普通にデートしたいです」


 深雪の提案に、全員一致で賛成する。

 さらに具体的な制度も追加された。


「デート日を設けるのはもちろんですが……偶には一人になりたい日も必要かと思います。週に一度くらい“自由日”を作るのはどうでしょう」


 俺はその意見にうなずいた。

 ――夫婦生活を長続きさせるコツは、お互いに新鮮さを忘れないために工夫を重ねること。そんな言葉を思い出す。複数人での生活ならなおさらだ。


「会社みたいだね」

「言い得て妙ですね。システム化した方が、後々きっと楽になります」

「確かに……人数が増えたら管理が大変になるし」

「いや、そんなポンポン増えることはないだろう」

「二日で二人目を見つけた人が、よく言いますね?」


 三人で顔を見合わせて笑った。


 ちなみに、俺が元々住んでいたアパートは引き払っていない。深雪との隠れ家的な場所として残してあるし、紗彩も「アパートにご飯を作りに行くデートがしてみたい」と言ってくれたので最終的には賛成してくれた。

 あのマンションは広すぎて、庶民の俺にはまだ少し落ち着かないというのもある。


 さて、最終的に決まったルールは以下の通りだ。


無断で独占しない


一対一になりたい時は事前に申請する


ただし俺の意志でそうしたい時はその限りではない


週に一度はフリーデイを作る


ケンカはしない


悩みは相談し、共有する


ルールの改定を含めて最終的には俺の意志で決定して良い


「この最後の項目……俺が独裁者みたいにならないか?」

「むしろ一番重要です。神力を持つのは隆行さんなんですから」

「そうですねぇ。この力は本当にすごい。一緒にいるだけで不思議と幸福感が強まります。だから、隆行さんが中心であるべきなんです」

「実際、神様もそう言ってましたしね」

「……なるほど。じゃあ俺が独裁者にならないように気をつけないとな」

「そこは心配していませんよ」

「隆行さんなら大丈夫です」


 二人の信頼に応えるため、俺は改めて気を引き締めた。


「そうだ、スケジュール管理はアプリでやろう。スマホのカレンダーを共有すれば一目で把握できる」

「いいですね、それ!」


 ……と、そこで爆弾発言が飛び出す。


「でも会社の中でデートしたくなったらどうしましょう?」

「深雪、それは……」

「大事ですよね。人数が増えたらチャンスも減りますから」

「公私混同はしないって話じゃなかったのか?」


 秩序を乱さないように、俺がしっかりしなければ――そう思った矢先。


 ◇◇◇◇◇◇◇◇


 ――そして、この始末である。

 秩序? 何それ、美味しいのか?



 昼休みのオフィス。人の気配が少ないフロアの片隅で、俺は紗彩にイタズラ混じりのアプローチをされていた。


「隆行さん、理性で我慢してますか?」

「そりゃあな。ここは会社だぞ」

「じゃあ……これ、食べたくないですか?」


 紗彩はタイトスカートの裾を持ち上げ、にやりと笑う。

 大胆すぎる挑発に、思わずゴクリと喉を鳴らした。


「ふふ、お昼ご飯は紗彩ですよ。どうぞ、召し上がれ♡」


 ――全く、この小悪魔め。

 この瞬間、俺は昼飯を食べるどころではなくなったのだった。





 衝動に任せそうになる自分を必死で抑えながらも、俺は紗彩の小悪魔的な笑顔と挑発に完全に翻弄されていた。

 どう考えても職場でやることではない。自分の父親が社長としている会社の中で、こんな大胆な行動を取るなんて、普通の神経じゃない。……まあ、流されてしまいそうな俺も人のことを言えないのだが。


「ふふっ、どうしました? 顔が真っ赤ですよ、隆行さん」

「……そりゃあな。紗彩がそんな格好で煽るからだろ」

「だって、隆行さんが“真面目”すぎるから。ちょっとくらい崩してあげないと♡」


 彼女はそう言いながら、軽やかにスカートを直すと、何事もなかったように立ち上がる。

 俺は拍子抜けすると同時に、冷や汗をかきながら深呼吸をした。――理性を保つのに、これほど苦労するとは。


 昼休み終了を告げるチャイムが鳴る。

 結局、俺たちはまともに昼飯を食べられず、そのまま午後の仕事に戻ることになった。


「ご飯食べ損ねちゃいましたね」

「俺は平気だけど……紗彩は大丈夫か?」

「ふふ、大丈夫ですよ。私、さっき“栄養補給”しましたから」


 茶目っ気たっぷりに微笑む紗彩に、俺は額を押さえた。

 ――まったく、こいつがこんなに小悪魔だったとは。

 どうやら俺の昼休みは、これから“食事抜き”になることが多くなりそうだ。


 全く……ハーレムってのは、思った以上に大変だ。

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