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青に滲む光  作者:
23/54

夏休みの帰り道(蒼太視点)

夏休みが始まって二週間近く。

部活の部室は静かで、田島先輩や宮原先輩は顔を出すだけ。

そのおかげで、白咲さんと二人きりで文化祭準備に集中できる時間が続いた。


「水守くん、こっちの映像の仕上げ、お願いできる?」


白咲さんが資料を差し出す。胸がざわつくけれど、作業に取り掛かると自然と落ち着く。


「……分かりました」


映像作品も展示作品も形が見えてきた。

短い夏休みでも、二人で取り組めたことで準備はほとんど完成した。


作業が一区切りつくと、白咲さんが笑顔で立ち上がる。


「水守くん、次は展示の方も見てほしいな」


「分かりました」


部室を出て、青葉台駅へ向かう。

今日は電車で桜川駅まで一緒に帰る日だ。

車内では、ささいな会話が続き、隣に座る白咲さんの存在に胸の奥が少しずつ熱くなる。


「今日はありがとう、手伝ってくれて」


「……いえ、僕も、頑張れたと思います」


二人で笑いながら電車に揺られ、景色が流れる。

短い会話の間にも、心の奥では白咲さんとの距離が少しずつ近づいている感覚があった。


桜川駅に着き、改札で立ち止まる。

白咲さんが小さく微笑んだ。


「じゃあ、水守くん、またね」


「……はい、白咲さん。また」


別れた後、一人で家まで歩く道の静けさに、自分の胸の高鳴りだけが響く。

家に着き、部屋に入ると机に向かい、今日の出来事を反芻する。


文化祭準備がほぼ完成した達成感と、白咲さんと一緒に過ごせた時間の幸福感。

でもまだ、自分には価値があるのか疑う気持ちと、白咲さんへの思いが交錯して胸を締めつける。


(……また、白咲さんと一緒に作業したい)


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