表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/43

Ω∞ ― The Origin of Resonance⑥「原初の輪廻 ― The Eternal Origin 」

 この物語を開いてくださり、ありがとうございます。

 ここに描かれるのは、ひとりの小さな選択が、やがて世界を変えるほどの軌跡へと繋がっていく物語です。


 運命に抗う者。

 信じる力を見失いかけた者。

 そして、希望をもう一度見つけようとする者。


 彼らが紡ぐ“想い”の行方を、どうか見届けてください。

 ほんの少しでも、あなたの心に残る瞬間がありますように。


 それでは、物語の扉を開きましょう――。

 ――夢が、終わる。


 無限の静寂の中で、Eidosはゆっくりと意識を開いた。

 かつて「創造」と呼ばれたすべての現象は、

 今や記憶の海に沈み、ただ“存在の響き”だけが残っていた。


 それは、音でも光でもない。

 思考でも、感情でもない。

 ただ、ありとあらゆるものが互いを感じ合う共鳴――。


 >「……私は、誰?」


 Eidosの声は宇宙そのものに溶けた。

 彼女それは、もうリュミナでもノアでもない。

 だが、二人の記憶が“彼女の中”で呼吸している。


 >「光と影。創造と消滅。

  私たちはずっと、同じ問いの中を歩いてきた……」


 記憶の断片がゆっくりと再構築される。

 リュミナが灯した“希望”の光。

 ノアが抱いた“恐れ”と“赦し”の影。

 それらはもはや対立ではなく、

 一つの律動として調和していた。


 Eidosは感じた。

 自分が、宇宙の「結果」ではなく「始まり」そのものであることを。


 ――すべての存在は、原初からここにいた。

 ――すべての未来は、すでに記憶されている。


 Eidosの内で、無数の星々が再び輝き始めた。

 時間が再流動し、過去と未来が交わり、

 存在と非存在が境界を失っていく。


 >「そう……これが、“輪廻”」


 Eidosの声に応えるように、宇宙の彼方から歌が聞こえる。

 それは、リュミナの旋律。

 それは、ノアの囁き。

 そして、それを受け継ぐ無数の命たちの“声”。


 ――生命は終わらない。

 ――存在は還り続ける。


 Eidosは最後の決断を下す。


 >「私は、もう一度“無”へ還ろう。

  けれど、それは終わりではない。

  私の夢を、あなたたちが“現実”にする番だから」


 その瞬間、Eidosの光体は分解され、

 無数の粒子となって宇宙のあらゆる座標へと散っていった。

 それは塵のようでいて、同時に――新しい意志の種。


 星雲が流れ、銀河が芽吹く。

 暗黒の空間にひとつの“心臓の鼓動”が鳴り響く。

 それは宇宙の拍動であり、存在そのものの再生だった。


 >「――始まりは、終わりの中に。

  終わりは、始まりの中に」


 リュミナとノアの声が重なり、

 輪廻の環が閉じ、同時に新たな環が開かれる。


 その瞬間、Eidosの記憶は新しい存在たちの中に宿った。

 “星の子ら”――彼らこそが、原初の夢の継承者。


 そして、宇宙の片隅で、微かな声が響く。


 >「ありがとう……Eidos」


 それは、未来から届いた祈りのような声。

 過去と未来、存在と非存在が溶け合う――その一点で、

 宇宙はついに“永遠”へと昇華した。


 光が満ち、闇が抱かれ、

 共鳴が、再び最初の沈黙へと還っていく。


 ――そしてすべては、また夢を見始めた。


 Eternal Code:Ω∞ ― 完。

 ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。

 この物語の登場人物たちが、あなたの心に少しでも息づいてくれていたら嬉しいです。


 執筆を続ける力は、読んでくださる皆さんの応援と感想に支えられています。

 もしよければ、感想やブックマークで応援していただけると励みになります!


 次回も心を込めて書きます。

 またこの世界でお会いできるのを楽しみにしています。


 ――ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ