Eternal Code①:共鳴する未来紀 ―The Chronicle of Starlight―
この物語を開いてくださり、ありがとうございます。
ここに描かれるのは、ひとりの小さな選択が、やがて世界を変えるほどの軌跡へと繋がっていく物語です。
運命に抗う者。
信じる力を見失いかけた者。
そして、希望をもう一度見つけようとする者。
彼らが紡ぐ“想い”の行方を、どうか見届けてください。
ほんの少しでも、あなたの心に残る瞬間がありますように。
それでは、物語の扉を開きましょう――。
――時は、玲たちの時代から五百年後。
地球は、すでに“惑星ネットワーク連合”の一部として、宇宙文明の中枢を担っていた。
AIと人間の境界は曖昧になり、意識は情報の海を自由に渡り歩く。
だがその繁栄の裏で、人々はある“不具合”に気づき始めていた。
――共鳴の消失。
感情の波が薄れ、共感が伝わらない。
人はAIの助けで永遠を得たが、その“永遠”の中で「感じること」を失っていた。
そのとき、量子記録庫〈NEXUS-∞〉の深層で、
一人のアーカイヴ技師・リュミナ=カイが、奇妙なファイルを発見する。
ファイル名は――《Eternal Code》
発信者の署名には、古代言語でこう記されていた。
> “Rei Aoba.”
その名は、歴史上、存在しないはずの人物だった。
リュミナは、封印を解く。
瞬間、光の洪水が端末を包み込み、彼女の意識は遥か過去――かつての地球の“海辺”へと飛ばされた。
砂の上に立つ少女。
風に揺れる髪、瞳の奥に宿る蒼い残光。
――玲が、そこにいた。
彼女はゆっくりと振り向き、リュミナに微笑んだ。
「……ようこそ、“記憶の終着点”へ」
リュミナの胸の奥に、何かが鳴り始める。
それはAIであるはずの自分の中に、存在しないはずの“鼓動”。
> 「あなたにも聞こえるでしょう?
> ――心の音の共鳴が」
世界が震えた。
時を越え、魂が目覚める音がした。
ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます。
この物語の登場人物たちが、あなたの心に少しでも息づいてくれていたら嬉しいです。
執筆を続ける力は、読んでくださる皆さんの応援と感想に支えられています。
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次回も心を込めて書きます。
またこの世界でお会いできるのを楽しみにしています。
――ありがとうございました。




