第7話 ポニョを救いたい
ポニョを――救う。
そう決意した俺は、覚悟をもってLINEを打ち込んだ。
誰かの優しさを信じるなんて、もうとうに終わったと思ってた。
でも、林静は――違った。
騙されてるのだとしても、嘘でもいい。
俺の心の深部に手を伸ばしてくれた人間がいた。
それがどんな形でも、無視はできなかった。
どうか俺に助けを求めてくれ。
直接的に何もできない。けれど、今度は――俺がポニョを癒してやる番だ。
「こんなことを言うのは失礼かもしれませんが、あなたのように聡明で慎重な方が、まだ関係の浅い私にご自身の写真を送るというのは、少し意外に感じました。
なぜなら、それはとてもリスクのある行為だからです。
あの写真の女性は本当に美しく、品があって、誰が見ても魅力的だと思います。
だからこそ、あれは本当に林静さん本人なのだろうかと――
少しだけ気になってしまいました。
もし、私の勘違いで、本当にあなたの写真だったなら……
その時は、疑うようなことを言ってしまってごめんなさい。
でも、これまで誠実な気持ちでやり取りをしてきたと思っているからこそ、
正直な言葉を交わせたら嬉しいです。」
詐欺でいい。
もう、君が詐欺師だってことは受け入れてる。
でも――あの写真だけは、君であってくれ。
俺の祈りにも似た一通に、返事は意外にも真面目モードだった。
『率直に言ってくれてありがとうございます。まず、あの写真は本当に私本人のものです。あなたが感じる不安や疑念は、私も理解しています。私たちの関係がまだ深くないので、こうした行動が疑問を抱かせるのも当然だと思います。
ですが、私は最初からずっと誠実な気持ちであなたと交流してきました。写真を送ったのも、自分を少しでも知ってもらいたかったからで、何か目的があったわけではありません。
信頼関係や誠実なコミュニケーションがとても大切だと考えているからこそ、少しでも私を知ってほしいと思ったんです。あなたも真摯にやり取りしてくださっていて、本当に感謝しています。
確かに、ネットの世界には不確かな部分や不誠実な人もいますが、私たちが誠実で透明な気持ちを持ち続ける限り、どんな疑念も解消できると思います。もし私の行動で不安にさせてしまったり、気持ちを傷つけてしまったなら、それについてあなたの意見を聞き、改善したいと思います。
お互いに真摯な気持ちと信頼をもって、これからも良い関係を築いていけることを願っています。改めて、理解してくれてありがとう。これからも楽しく、そして誠実にお話しできることを楽しみにしています』
よかった。詐欺師だとしてもあの写真は林静だった!
な訳ない。
真面目に真面目で返してきた。
だったら――とことん、付き合ってやろうじゃないか。
“ポニョ”とのLINE。
たとえフィクションだとしても、今は俺の現実なのだ。