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最終話 ポニョに還る祈り

既読はすぐについた。


しかし返信はなかった。

まぁそうだろう。

俺はLINEの長文癖がある。よくダルいと言われるし、よく既読スルーされる。


ポニョにもなかなかの長文を送ってしまった。


それでも待った。

一時間…二時間…


俺は林静とのやり取りを最初から最後まで読み返した。

たった三日間の間に尋常ではないやり取りの数々。

自然と口が緩み微笑んでしまう。


想定以上のメンタルダメージだ。


スマホをデスクに置き電子タバコをふかした。


その時だった。


ピヨン!


LINEがなった。すぐさまLINEを開く。

林静だ!


そこにはワンピースのナミの満面の笑みの『ありがとう』というLINEスタンプだった。


俺は画面を見つめたまま、しばらく動けなかった。


ナミの笑顔。

それはあまりに唐突で、あまりに優しかった。


言葉はなかった。

たった一つのスタンプ。

でも、それは「さようなら」と言われるよりも、ずっと重たく、ずっと温かかった。


――ありがとう。


ポニョの最後の言葉。


もしかしたら、もうこの先、LINEが返ってくることはないかもしれない。

いや、もう俺もこれ以上はやめよう。

それでいい。

俺はこの“ありがとう”を信じる。


ポニョは、どこかでまた誰かを騙すかもしれない。

でもそれを俺が止める手立てはない。

でもほんの少し、人に優しくなれる存在に――

転生してくれていたらいい。


そう願って、俺はスマホをデスクに置いた。


宗介とポニョの物語は、ここで終わる。


この物語は私の実話をもとにしています。

SNSのDMには、みんなもくれぐれもご注意を。


けれど、俺の祈りはまだ続いている。


――ポニョに還る祈り。

たとえそれが叶わなくても。

きっと、誰かに届くと信じてる。


――もしかしたら林静は、異世界でポニョとして転生したのかもしれない…


その世界では、もう誰も騙さず、

本当の笑顔で、誰かとUFOキャッチャーをしているかもしれない。


俺は、それを祈っている。


そう思えた時、ふと、ある物語が頭をよぎった。


人類が滅んだ未来――

たったひとり残された少女と、AIの祈りの物語。


誰にも届かないはずだった想いが、遠い銀河の果てで光になっていく。

名前すら知らない誰かの心に、やがて祈りが宿っていく。


それは、俺の“どうしようもなさ”の先にあった、もう一つの希望だ。


このLINEの三日間がくれた小さな気づき――

「信じて、祈ることは、バカみたいだけど、悪くない」


そんな風に思える今なら、

あの物語を、誰かに届けてもいいかもしれない。


この現実の先に、もし“まだ祈れる何か”があるのなら――


よかったら、もう少しだけ、読んでいってほしい。


→『銀河に還る祈り』公開中


──もうひとつの“祈り”が、静かに待っています。


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