異世界転移
新作を投稿します。
女神からチートスキルを授かったアラサーOLがスローライフを目指す物語です。
主人公は基本的に善人ですが、口が悪く、思い込みが激しく、敵だと認識した相手には一切の容赦が無く、自分の欲望に正直ですので、嫌悪感を感じる方は御遠慮下さい。
私は過労死寸前だった特撮オタクのアラサーOLの一文字桜。
毎日残業に追われているので、まともに休みを貰えない。
大好きな特撮も暫く観ていない。
今日も深夜まで残業だった筈。
(・・・・何なのよ。このド田舎は何処よ)
気が付いたら、何にも無い草原に居た。
「申し訳ありません」
「アンタ、誰よ」
背後から突然に声を掛けられたので、振り向くと若い女性が居た。
「私は」
「分かったわ。背後霊ね」
思わずツッコミを入れた。
「違います。私は背後霊ではなく、駄女神マリナです」
「自分で駄女神って名乗ってんじゃないわよ」
再びツッコミを入れた。
「スミマセン。他の神達から駄女神と言われ続けていたもので、いつの間にか自分でも駄女神と名乗るようになっていたのです」
「・・・・アンタ、不憫な女神ね」
この女神はあまりに不憫だ。
詳しい話によると上司の神が同姓同名の人と間違えられて、私を瀕死寸前の状態にしたらしい。
地球で回復させると不味いので、わざわざ異世界に転移させて、この女神が回復させたらしい。
「・・・・ふざけないでよ」
「本当に申し訳ありません」
女神が土下座してしまった。
この女神に文句を言っても仕方ないか。
無能な上司だと苦労するからね。
私もブラック企業に就職したから良く分かるわよ。
詫びとして【異世界知識】【反射】【倍返し】【JKの若い身体】を要求した。
「【異世界知識】【反射】【倍返し】【JKの若い身体】ですかJ
(【異世界知識】は異世界生活には必要不可欠なスキルですね。【反射】は魔法を反射するスキルでしょう。【倍返し】は反射した魔法を倍にするスキルでしょう。【JKの若い身体】は良く分かりませんけど、おそらく問題無いでしょう。そういえばスケ◯ン刑事というのがJKの戦士だった筈ですね。あのように若くて強い身体にしろという意味ですね。それなら私と同等の身体能力にしてあげます)
「これは絶対条件よ」
「・・・・分かりました」
最初は渋っていたが、ゴリ押しで納得させた。
「それでは失礼します」
「駄女神、ありがとう」
「駄女神って呼ばないで下さい。私の名前はマリナです。きちんと名前で呼んで下さい」
「自分で駄女神って名乗ったじゃない」
三度目のツッコミを入れた。
「私は仮にも女神なんですから、少しは敬っても良いじゃないですか」
「どうして駄女神を敬わないといけないのよ」
「だから駄女神って呼ばないで下さい」
「分かったわよ。駄女」
「もっと酷いじゃないですか」
「面倒くさい奴。それなら駄マリナで良いわよね」
「・・・・駄女神で良いです」
「最初からそう言いなさい。駄女神」
「・・・・今度こそ本当に失礼します」
女神は神界へと帰って行った。