冒険者になれる?
結局割れた理由は木刀が古かったからだということになった。父さんが新しい木刀を買ってきて、稽古を再開することになった。次はあまり強く握らないようにしないとな。
このぐらいかな…。うん。割れない。やっぱり弱めに握れば割れないな。
「ラース、かかってこい。」
「分かった。行くよ。」
「ガン!」
あれ、父さんに防がれちゃった。そりゃそうか。稽古って言っているんだからそんな簡単には終わらないよな。それにしても父さん変な顔してるな。もしかして、弱すぎたかな…
「ラース、今のはなんだ。(防げはしたが7歳の攻撃だとはとても思えん。俺は剣術lvl.4だぞ。なのに防ぐので手一杯だった。なぜだ…。)」
「もっと強く打ったほうが良かった…?」
「もっと強くだと!?」
「うん。力を抜いて打ったんだけど。」
「…ちなみに今のはどれくらいで打ったんだ。」
「軽く当てるくらい…」
「ラース。今日は稽古は終わりだ。家に帰るぞ。」
何かやっちゃったかな。軽く当てたって言ったのが悪かったかな…
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家に戻ってきたけど、父さんは何を探しているんだ?
「あった!ラース。この水晶に手をかざしてみてくれ。」
そう言って父さんは水晶玉を机の上に置いた。
「分かった。 こう?」
「ああ、そうだ…。っ!」
「どうかした?」
「ラース。お前、今なんのスキルを持ってる?」
「えーと…ちょっと待ってて。」
ステータス!
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Lv.4
名前:ラース・セリウス
体力:6
攻撃力:9999
防御力:2
魔力:0
俊敏:9
所持スキル:鑑定Lv.1
攻撃力上昇
剣術lvl.1
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「鑑定と、攻撃力上昇と、剣術。その3つだけだよ。」
「剣術は何レベルだ?」
「1だけど…」
「…ラース、攻撃力はいくつだ?」
「…9999。」
「9999だと?」
「うん。」
「…ラース、稽古はもうやめだ。学校にも行かなくていい。」
「なんで?」
「お前が行きたいのならば、行けばいい。だが、お前にはその攻撃力がある。その力を使って冒険者にでもなればどうだ。」
冒険者。もちろん言われなくても大人になったらなるつもりだった。それを待たなくてもいいのならやりたい。
「うん。なる。」
「よし、じゃあ決定だな。手続きはやっておく。冒険者ギルドにも俺から話をつけておこう。」