木刀が割れた。
さて、ご飯も食べ終わったことだし、父さんのところに行こうかな。
「父さん、来たよ。」
「ラース。今日はお前に剣技を教えたいと思う。」
「分かった。でもなんで急に?」
「7歳になったからだ。もうそろそろお前も学校に入るんだから、剣技の稽古をつけてやろうかと思ってな。」
そういえばこっちの世界じゃ8歳から学校に行くんだったっけ。
「学校の試験で剣技があるの?」
「あぁ、そうだ。ほら、お前の剣だ。その剣で俺に一撃加えられるまで稽古は辞めんからな。」
そう言って木刀を渡された。剣道とかはやったことないから上手くできるか不安だな…。まあこっちの世界ではまだ7歳なんだし大丈夫か。
「じゃあ行くよ。」
そう言って木刀を強く握ると、
「ビキッバキッ」
と音がなって木刀の持ち手がバキバキに割れた。父さんの顔を見るとあっけらかんとした表情で俺のことを見ていた。
「おい、ラース。今何をした?」
やばい、怒られるかな。攻撃力9999はこんなところにも現れるのか。
「ただ強く握りしめただけなんだけど…」
「身体強化もかけずにか?」
「魔力0なのに使えるわけないでしょ。」
「確かにそうか。」
父さんと母さんには攻撃力が9999だと言うことは伝えていない。変に騒がれたり、もてはやされたりしたくないからだ。しかし何故割れたんだ?普段はこんなこと起きないんだけどな。木刀を握ったからなのか、それとも攻撃しようと思ったからなのか。どちらにしよあんまり強くは握れないな。