或る感想書きに訪れた僥倖 -出版社さんは見てる-
みなさん、こんにちは。未来屋環と申します。
今日も元気にリーマンしながら、『小説家になろう』生活を楽しんでおります。
それは或る日のことでした。
職場で迎えたお昼休み。出社した時は大体コンビニごはんです。朝買ってきたたまごロールをくわえながら、なろうを確認しようとスマホを取り出したところ、メールがきていることに気付きました。
開いてみると、見慣れない企業名。またビ〇リーチかな? と思い読み進めてみて――私は仰天しました。
――え? 出版社さん??
そう、それはなろう運営の方からの、出版社さん取次ぎのご連絡だったのです。
驚いて読み進めてみると、どうやらなろうに掲載されている作品が書籍化される運びとなり、その宣伝にあたって私が書いた感想を使いたいとのことでした。
読み返してみると、確かに私が書いた感想です。その中の一文を抜粋頂き、かつ私の名前も帯やチラシに掲載頂けるとのこと。
びっくりです。
確かに私はできるだけ読んだ作品には感想を書くようにしています。
というのも、自分も書き手として、感想の持つチカラを知っているからです。
なろうで初めて感想を頂けた時の感動は、今でもよく覚えています。
忙しい日常の合間を縫って書いた作品が誰からも読まれなかった時は、好きで書いているとはいえ、どこか虚しい気持ちがありました。
そんな私に突如訪れた、光る赤い文字。
「感想が書かれました」
その一言に、ざわりと心が揺れました。
お恥ずかしいことに、私は物語を書いては吐き出すことしかしてこなかった為、そんな素敵な機能がなろうに備わっていることすら知らなかったのです。
私は頂いた感想を何度も何度も読み返しました。
暇さえあれば画面を見てニヤニヤする私は、随分なスマホ中毒者に見えたことでしょう。
それでも構わないと思いました。
それくらい、嬉しかったのです。
お蔭さまで、今ではコンスタントに感想を頂くことができるようになりました。読んで下さる方々から頂く一言一言が、私の心に明かりを灯してくれます。
その言葉に、今までどれだけ救われてきたことでしょう。
どんなに日々が忙しくても、どんなに落ち込むことがあっても、ふふっと小さく笑って、前を向いて生きてゆけるのです。
限られた時間をやりくりしながら執筆を続ける書き手のみなさんを、私は尊敬しています。
そんな方々に少しでも自分の想いを伝えられたら。少しでも「書いてよかったな」と思って頂けたら。
そう思いながら感想を残して参りましたが、まさかそれが出版社さんの目に留まるなんて。
勿論、望むらくは自分の作品が書籍化されることです。しかし、自分の書いた文章がどんなに短くても印刷されて世に出るということは、間違いなく私にとって僥倖でした。
(そして、嬉しさのあまり、買っておいたデザートを食べ忘れました)
このエッセイは、「感想を書いたらこんないいことがあったよ!」とシェアすることで、「それなら感想書いてみようかな」と思ってくれる方がひとりでも増えることを祈り、したためたものです。
いつもお忙しい中、作品を読んで頂き、ありがとうございます。
もしよろしければ、もしもう少しお時間が許すのであれば、日々頑張る書き手のみなさんの為に、感想を残して頂ければ幸いです。
そして既に感想を書いて下さったみなさん。
貴重なお時間を使って、想いを伝えて頂きありがとうございます。
その言葉には、あなたが思う以上のエネルギーがあります。
あなたのあたたかい感想は、私達に新しい物語を紡ぐ勇気をくれるのです。
(了)
本件についてエッセイを書くことを、「感想を書く文化がより広まるきっかけになれば」とご了承頂いた、出版社のご担当者様に感謝いたします。
私もこれからも感想書いていきます!
(食べ忘れたデザートを食べつつ)