新しい母のつぶやき
(義母のつぶやき)
私は最初の嫁ぎ先の夫はかなり年上だったこと、不摂生な人だったことで未亡人となり、娘を嫁ぎ先に残して王家と繋がりの強い家へ嫁ぐことが決められてしまった。
数年前に私と血の繋がりのある夫人が世を去り、その面影のある私が一人身であることを知った主が強く望んだお話らしい。
夫人は私の双子の妹。
物心がつくかつかないかのあたりで実家の本家筋へ養女として出てしまい、交流はなかった。
双子といっても全く生き写しというようなものでもなく、同時に生まれはしたもののうっすら似ているというくらいのもので、「面影がある」という以上に言いようがない。
新しい夫になる方もまさか私が夫人の実の姉、それも双子だと判明して驚いたくらいだ。
新しい生活で心配なのは、妹の娘と私の娘。
妹の娘は輝くような美しさを持ち、聡明であると聞く。
それに比べて私の娘は、歳をとってできた娘だということで夫が甘やかしすぎた結果、不必要に着飾ることだけに一生懸命で、どんな人間にも攻撃的で傲慢な人間に育ってしまった。
私にとっては可愛い実の娘ではあるが、きちんとした縁談が来るとは思えないほど社交界でも悪評が立って困っている。
なんとかすべてうまくいくようにできないものか。
神に祈る以外のことはなんでもしよう。
そう、私は思っているのだ。