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第1話【楽しい転生生活の幕開け…?】

──怒号が飛び交う刑罰執行場。


その中心にはエヴァンスター家長女、クレア・エヴァンスターがいた。



「今から罪人、クレア・エヴァンスターの罪状を読み上げる!…罪人クレアは異母妹であるエレノア様を毒殺しようと企てた。これは単なる殺人未遂ではない。何故ならばエレノア嬢は次期国王であられるアレン様の婚約者だからだ!よってヴァイオレットには王族殺害未遂の罪、王族に対する反逆罪が課せられる」



読み上げ終わると観衆がワァァと沸き立つ。



「殺せ!!」

「エレノア様を殺そうとしたんだ!!苦しんで死ね!!!」

「恐ろしい…あのお優しいエレノア様が無事で良かったわ…」



(こんな…こんなつもりじゃなかった…!!)



確かに私は義理の妹であるエレノアの紅茶に薬を入れた。それは言い逃れようのない罪だわ。でも、あれは睡眠薬で致死性なんて全くない…



……そう言ったところでもう私の罪は覆りはしない。今思えばきっと日頃の行いが悪かったのよね…


承認欲求を満たしたくて取り巻きの令嬢の嫌いな方を一緒になって虐めたり…


妹がエヴァンスター家に来るまでは私と婚約予定だったアレン様まで妹と婚約してしまうから…2人を引き離そうとしたり…きっとこれは神の与えた神罰なのね…



もう遅いけれど出来ることならもう一度やり直したい…!もう取り巻きの令嬢といじめだってしないし、妹のことも虐めないわ!



神様…もう一度私にチャンスをください!もう一度人生をやり直すチャンスを……!!




──その瞬間、執行人による斬首が行われた……はずだった。



「はっ!!!」



目をカッと見開くと視界に入ってきたのは見慣れた自室のベッドの天蓋。


ベッドから飛び起き窓から見下ろす庭はいつもの自宅の庭だった。


「失礼します…」


入ってきたのはいつもの私付きのメイド、アンジュだった。


「アンジュ…」

「っ?!く、クレア様?!汗が…!体調が優れないのですか?!」


汗…?タオルで首や手を拭いてくれるアンジュを見てようやく気が付いた。知らない間に滝のように冷や汗をかいていたんだ…


「と、とりあえずここにお座りに…あっ!今医者を…」

「アンジュ、落ち着いて。大丈夫だから」


オロオロと慌てるアンジュを見ていたらこっちが冷静になってきた。


「ですがお顔の色が優れませんよ…」

「ちょっと悪い夢を見ただけ。体調が悪いわけじゃないわ…。」


………そう、あれは悪い夢だったのだわ。

これは悪魔の悪戯か、神の許しか…どうやら私は罪人になる前に転生したらしい…。


………問題は"いつ"に飛ばされたか……


「アンジュ」

「はい、なんでしょうか」

「私の日記を持ってきてちょうだい」

「はい。」


私は毎日その日あったことを日記に付けていたから、いつエレノアが我が家にやってくるのかも書いてあったはず。


「どうぞ」

「ありがとう…」


パラパラと捲りながらアンジュに今日の日付を聞き、ページを開く。……………これはもしかしたら神が私に与えたチャンスかもしれない。


ちょうど2年前…私がエトワール学園へ入学する少し前に転生したようだった。


これなら他のご令嬢やエレノアに意地悪をしてないわ!まだやり直せる!!!!これはチャンスよ!!人生を新しくやり直すチャンス!!



「あの〜、お嬢様?」


「アンジュ!!早速勉強よ!!」


「はっ?!」


「私はもう貴族として恥じない人生を生きるわ!!」


「へっ?!」


「これから来るエレノアとエレノアと婚約する皇子の影で私はシスターになるのよ!!!!」


「はぁ……。………えええぇぇぇえ?!」



そう!私は今までの罪を償うためシスターとなり心を清めるわ!!


目指せ、平和にシスターENDよ!!!

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