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遠い人
追伸 遠い人より
初めに君を見たとき、明らかに自分とは違う人だと感じたんだ。
君は私が見た人たちの中で一等、表情がよく変わる。
それは時計の針が動き続けるように、雪が降りやみ花が咲くように。
とてつもなく、輝いていた。
君は今まで私の世話をしに来た人たちより、比べるまでもなく話しかけてくれた。
朝、否応なしに起こされたことはなかった。
書くのを止められたのは驚いた。
欲しいものをとめられたのは、ちょっと悲しかった。
私に誰かを会わせようとした。
一緒に外へ出たのも。
髪を指摘されたのは初めてだった
習字紙で焼き芋を焼いたのも。
君は遠くの国で、私では生涯かけてでも体験することのない日々を、歩んできたんだね。
だから君は、私とは違う考えを持っているんだろう。
私を呼ぶ声が聞こえる。
八つ時のようだ。
ねぇ。
君は、
私とは違う。
とても遠い、遠い世界から渡ってきた。
私のとおい人なんだ。
[完]




