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第十四話
第十四話
少年が熱を出した。
朝のふらつきで、もしかしてと思い辺り、この次第だ。
元が白いからか、赤くなった頬が色づいて見える。
「先生、今日は一日寝ててくださいね」
濡れたタオルを頭にのせる。
いつもおとなしいから、こんな時でも変わらないだろうな。
「お粥、作ってきますね」
ネギを多めに入れてみようか。
ああでも梅もいいな。
「先生、お粥は卵と梅のどちらにしますか」
さすがに肉とかは言ってこないだろう。
「・・・あんこっ」
薄い唇が僅かに動く。
うん。
餡子はおやつじゃないか。
いや、おはぎを作れということか。
消化に悪そうだなぁ。
少年との生活も早五か月目。
最近では軽いわがままを口に出すようになった。
普通の子供のようなギャーギャー言うものではなく、ご飯の相談をした際に、明らかにご飯ではないものを言い出すこととが。
そんなものであるが。
先生と言われるが、まだ中身は子供なのか。
見た目に反する応対に、少し可笑しくなった。
「餡子は治ってからですね」
熱ぼけた頭が向こうを向く。
拗ねたようだ。