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妖怪狩り部3
森の奥から鹿の群れが飛び出した。
鹿は僕らを取り囲むように跳ね回る。
「一匹ずつは大したことないが数が多い、気をつけろ」
先輩が言う。
鹿は窪んだ目に真っ黒な闇を湛え、僕らを品定めするように取り囲んでいる。
突如、一頭が僕の方へ飛びかかってきた。
「シッ!」
僕は気合いと共に凪ぎ払う。
鹿は胴体を一頭両断されると、煙のように闇へと消えた。
バシュ!!
僕のすぐ横で鹿が射ぬかれる。気づかぬうちに接近を許したらしい。
「油断しないで!」
入谷が弓を構え叫ぶ。
僕は一頭一頭、慎重に狩っていく。
気づけばあらかた狩り終わっていた。
「これで最後か」
先輩が細身の長剣を振るい、最後の一頭を狩り終えた。
「キョォォォォォ!!!!!!!!!!!!」
途端、物凄い鳴き声が森に響き渡る。
続いて地響き。
ドシンッ!
ドシンッ!
と、森に響く地響きに呼応するかのように、エヴェリンのアラームが一斉に鳴り響く。
「来たか」
先輩の声にはわずかな緊張が漂っていた。