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妖怪狩り部2
部室を出た僕らは裏山へと向かった。
僕らの学校は裏手に大きな山があった。
山は森で覆われていた。
今日の獲物は森に出没する鹿鬼だ、と先輩が言う。
近隣住民が大きな鹿の化け物を目撃したらしい。
恐らくはまだ幽体であろうが、受肉するのも時間の問題だ。
僕はエヴェリンを起動する。
エヴェリンから黒色の刀が出てくる。
何度も練習したパターンだ。
僕は刀を構え先輩の後を追った。
エヴェリンは妖怪狩りのためのアイテムだ。
時計のような形をしており(言われなければわからないほど似ている)、操作することで様々な効果がもたらされる。
名前は開発者のエヴェリン・ロックハートから取ったらしい。
僕はまだ全ての機能を使いこなせてはいないが、武器を出す、防御力を上げる、索敵をする、機能があることは知っている。
「来るぞ」
先輩の声で身構える。
どうやら敵が近いらしい。
僕は刀を握り直した。