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終章

初のラブソングを、見事歌い上げた五人。

はえあるトップアーティスト賞受賞者は!?


JOKERの物語が、ついに完結!


「うわあ、見事につまったねぇ。雪」


「新年早々これだと、これから先が思いやられるなあ」


「つうか……なんで俺までこんなこと……」


「こんな寒い中初詣いこうとかいう馬鹿がいるからでしょ。風邪ひいたらどうしてくれるの?」


「わざわざ正月休みに来るとこじゃなかったかもね。人も多いし」


「もう! うるさいなあ! 行ってみたいってみんな賛成したでしょ!?」


我慢できずに言うオレに、苦笑いを浮かべる朔也と要。

とがめるつもりもないのか、ため息で返す迅ちゃんと歩美。

オレ―朝倉瑠夏はおなじみのメンバーで、現在初詣へと来ている。

新年あけてからの初の正月休みだったもので、みんなで行こうって話になったわけだ。


「にしてもさあ、最後にあれはなくない? まさか全っ然ちっともまったく知らない演歌歌手がとっちゃうなんてさ!」


「全然知られてなかったら受賞してないでしょ。君が知らないだけ」


「演歌なんて興味すらないも~ん。オレは煌かJOKERの一騎打ちだと思ってたのに」


去年の大みそかに行われた、トップアーティスト賞。

せっかくすべての力を出し切ったというのに、優勝はオレのまったく知らない演歌歌手だった。

多分、審査員が年配の人ばっかだったからだろうな。

観客も比較的若者より、年寄りが多かったみたいだし。

まだ煌が優勝! の方がすっきりして終われたのに~


「仕方ないよ、今年の有力候補だって言ってたし」


「社長もそういってたの?」


「ううん。お母さんは、JOKERと煌しか応援してなかったって」


おんやまあ珍しいこともあるもんだ。


「まあ優勝できなかったのは残念だったが、お前にはあの一言で充分だったんだろ?」


「まあ、ね」


「単純だね。優奏さんのたった一言でふっとぶなんて」


「うるさいなあ」


あの生放送が終了した後のこと。

がっかりしていたオレ達と、偶然煌の三人に会った。

舞楽さんは相変わらずの偉そうな微笑みを浮かべており、なるちゃんはぺこりと会釈してくれたのを覚えている。

そしてただ一人、優奏さんは……


「私の中のトップアーティスト賞受賞者は、JOKERちゃんだよ♪」


って笑って言ってくれた。

いい人だよなあ、優奏さんって。

舞楽さんとはえらい違いだわ、まったく。


「せっかくここまできたわけだし、お参りしてくよな?」


「歩美、もしかして今早く帰りたいって思ってる?」


「自宅にトンボ返りして食事作らないと、いつまでたってもうるさいからなあ。あいつ」


おそらく、妹であるミッキーのことを言っているのだろう。

そっか。歩美が実家に帰るってことは……


「みんなも実家に帰るの?」


「当たり前でしょ。新年のあいさつは基本中の基本だからね」


「僕も……おもち焼いたから食べに来なって姉さんに誘われて」


「まあ俺も行こうとは思ってるけど、せっかくだし瑠夏も社長さんのとこ行けよ。巽さんもいるわけだし」


むむむ……何だろう、この実家に帰りたくない感……


「そろそろ回ってくるよ。こういうのって、何をお願いするの?」


「僕はもちろんJOKERのことだよ。高校最後の年だし、念入りにお願いしとこうかなって」


「俺も特にないから、JOKERのことくらいかなあ。歩美は?」


「人にベラベラ話すつもりはない」


「じゃあ、瑠夏はどうする?」


急にふられて、えっと声が漏れる。

色々言っているうちに、順番が回ってきてしまった。

隣でみんなが何かをお願いしている。

金を賽銭箱に投げ、オレは手を合わせた。


オレの願い………か。

それは、このメンバーとずっとアイドルができますようにってこと。

歩美や迅ちゃんとだけでなく、朔也や要とも。

このまま、JOKERとしてずっとしたいなって。

そしたら、きっと……


「あ、そうだ。この後、寄り道していい?」




「うわあ~~! 真っ白!」


子供のようにはしゃぐ要の声につられるように迅ちゃんが覗き込む。

彼はパッと顔をほころばせると、オレを振り返った。


「ここって、いつもいってた嵐が丘?」


「そ♪ 雪積もってるから、ちょうど見えるかなって」


オレ達がいるここー嵐が丘は、この前歩美を迎えに来た場所でもある思い出の場所だ。

見晴らしがいいのは相変わらずで、雪が積もった銀世界が一望できる。

とてもきれいで、幻想的だった。


「ここが……お前がいつも話してた、約束の場所か」


「気に入った? 朔也」


「正直ここまできれいとは思ってなかったけど」


「瑠夏君達は、ここで遊んでたの?」


要が聞くと、迅ちゃんと歩美は微笑むような形で答える。

オレは携帯にぶら下がっている蒼いガラスを、もう一度仰ぎ見た。


「前から思ってたけど、瑠夏。何をどうしたら紐が切れるの?」


「いやあ、なんか気づいたらってやつ?」


「僕はお義母さんが大事に保管してたから、切れることなく残ってるんだけど」


「ちなみに俺もな」


「え、二人ともすご!」


「お前の扱いが雑すぎるんだよ」


「何その言われよう! あ、そうだ! ここまで来たんだし、まだ昼でしょ? 今から鬼ごっこしよう!」

「はぁ!?」


おお、見事な四人の声のはもり具合! さすがじゃ!

いやあ、息が合うって素晴らしい!


「君、自分の年齢理解してる?」


「いくら何でも、鬼ごっこはちょっと……」


「子供っぽすぎないか?」


「そんなもんやるかよ」


「年が何だ! だったらオレが鬼してやる! もし捕まえられたら、二度とそんな口たたけないようにしてやるからなあ!」


オレが言うと、訳が分からないまま四人が逃げ惑う。

それでも浮かんでいる顔は、笑顔でしかない。

要や朔也、迅ちゃんと歩美を捕まえるべくオレはまた前へ走り出したのだった。


fin☆


なんでJOKERが優勝しなかったの!?

と思ったそこのあなた、それでは面白くもなんともないじゃないですか!

・・・と思いたったがために、このようになりました。

五人の絆は永久に不滅、なのかもしれませんね。


長いストーリーではありましたが、お付き合いいただき

ありがとうございます!

JOKERの伝説はまだまだこれからなので

皆様の胸の中で、応援し続けてあげてください。


誕生日小説などでの活動は続けていくので

たまに思い出してくれると嬉しいです(^_^)

長文失礼しました!


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