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順風満帆

資金稼ぎのバイトも、徐々に慣れていき・・・?

バイトをしだして、はや一週間が経ちました。

みなさん、いかがお過ごしでしょうか。

オレ朝倉瑠夏は、相変わらずの自転車三昧でございます。


「お待たせしました! うどん一丁、そば一丁お届けに参りました~!」


最近、ようやく坂道に慣れてきたなと我ながら思う。

それもいっちゃんの野郎が、練習にと自転車をシェアハウスに置いたからだ。


せっかく持ってきてくれた自転車を使わないわけにはいかない。

迅ちゃんや朔也に半強制的に言われ、毎日練習してたらあっという間になれてしまった。

なるちゃんになんて、出前専門で雇ってもいいくらいとまで言われたよ。

そのせいで基礎体力も少しはましになったと迅ちゃん達に褒められたこともあり、バイトと練習を掛け持ちしててもあまり疲れなくなったほどだ。


「ただいま~! 水瀬町の出前、回り終わったよ~」


「……お疲れ……様でした……これ……差し入れです」


「おっ、かき氷だ! おいしそ~! いっただっきま~す!」


最初はまだ静かな方だったセミ達も、活発に活動を始めた夏本番時。

それなのに自転車で出前させられるわ、こんな服着て坂道登らされるわで大変も大変。

こういうのは冬が一番いいんだけど、そううまくいかないんだな~これが。


「にしてもここは、変わってるよね~」


「……変わってる……?」


「ラーメンとかで出前はわかるけど、うどんは珍しいなって」


「昔からのスタイル……なので……そのおかげで……幅広い年齢層の人達に……よく親しまれてます」


確かに、出前に行くとこほとんどが四十歳代の人ばっかりだった。

ここまで来るのに一苦労なおばあちゃん達のところに出前に行くと、玄関でいつもおいしいよ~と言ってくれたのが嬉しかったっけ。


「なるちゃんはさ、アイドルやりながら仕事やってるんだよね? 大変じゃない?」


「……いえ……そんなことは……」


「まだお母さん達とか元気なんじゃないの?」


「……一人っ子なので……オレが継ぐことが決まってるんです」


「嫌じゃないの?」


なるちゃんはきょとんとした顔でオレを見返した。

やっぱり不思議な人だな、改めてそう思う。

社長の父を持つオレでも、会社を継ぐの嫌がったのに。


「オレもなるちゃんと似たようなものだからさ。ずっときめられた人生送るのって、窮屈じゃない?」


「…………別に………オレは………」


その時、なるちゃんの顔がいつも以上に苦しそうに見えた。

話し方も普段より間があったし、何よりつらそうな顔が証明している。

まるでそういえと言われているような言い方だった。


「……そろそろ時間なので……オレはいきます……残り一件ですが……よろしくお願いします」


話をそらすようになるちゃんが店の方へいそいそと戻っていく。

オレはそれ以上どうすることもできず、かき氷の皿を置いて自転車に料理をのせた。

今日最後の出前先は、北嶺団地の三丁目だった。

う~ん、オレの気のせいかな?

この住所、どっかで見たことあるんだけど……

細かいことは気にしないことにして、重たい自転車をゆっくり動かした。


(続く!)

そういえば今年もそろそろ終わりですね。

そんなこと気にもしなさそうな面々ですよね、JOKERって。

イベントにうるさいのが瑠夏しかいない影響でしょうか・・・


次回、瑠夏にとって見覚えのある住所・・・そこにいたのは?

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