ダンスレッスン
マネージャーとしてやってきた樹とともに、
彼らは特訓を始めることに!
「1,2,3,4! ターンして、はいキメポーズ!」
ええっと、くるっとまわって……キラッ☆
「ん~いいわあ、最高よ! あなた達! パーフェクト!」
「よっしゃあ!」
講師がにこにこ笑って見届けてくれるのを、オレは清々しい思いでいっぱいだった。
約一週間にわたり、オレ達はきっつ~いダンスレッスンを終えることができた。
自分達の曲に合わせ、初めて完成した。
ビデオで撮ったのを確認しながら、オレは鳥肌が立つ。
みんな、それぞれかっこいい! やっぱりこの五人いいよ!
「お疲れ様です、みなさん。休憩の後はボイストレーニングなので、気を抜かないように」
げっ、まだやるのかよ。
ハードスケジュールすぎるのにもほどがあるだろ、まったく。
そう思いながら、ビデオで撮ったダンスを眺めみる。
ふとオレはあることに気付き、スポーツドリンクを飲みながら言った。
「そういやさ、要。なんで前髪切らないの? 邪魔じゃない?」
「へ?」
「だってダンスするときとか、目にかかってうっとおしいじゃん?」
オレが言うと、確かにと迅ちゃんや朔也が同意した。
「その顔は地味すぎるね。アイドルとしてはダメダメかな」
「俺達でさえ要の顔、まともに見たことないもんな。やっぱり人見知りのせいか?」
優しく問いかける朔也に、要はうつむく。
彼は持っていたペットボトルを胸に引き寄せ、か細い声で言った。
「……このままの方が、見なくて、すむんです……生活とかには害がないので……すみません、ずっとこれじゃいけないって、わかってるのに……」
要の人見知りは、オレ達じゃどうすることもできない。
ここに来てからもさっきの講師の人やその他の関係者、さらには実の姉ともかかわろうとしない。
どうにかして、要を助けたい……でもどうすれば……
「で、でも僕……これだけは、伝えときたいん、です」
すると要が珍しく、はっきりとした声で言った。
彼は恐る恐る自分の前髪を黒いピンでとめながら、こちらをゆっくりとみる。
オレは驚きで、声が出なかった。
「あなた方と会ってから、初めて、自分を変えたいって思いました……もっと、仲良くなりたいって……このままじゃダメだって……だから……」
「か……かわいいじゃん、要!」
「へ?」
「前髪ないほうが、百倍かわいい!」
驚いた。要って、こんなにかわいい顔をしていたんだ。
あのお姉さんとお母さんもきれいだったんだから、考えてみれば当然か。
とてもけなげで、まるで守ってあげたくなるような……。
「よし、決めた! その前髪、初公演の前には切ろうよ」
「切る……?」
「そ♪ せっかくかわいい顔してるのに、もったいないじゃん? それと、敬語なんて改まったことしなくていいよ。同じグループなんだからさ」
オレがそういうと、彼は初めてくすりと笑顔を見せてくれたのだった―。
(続く!)
明日から12月ですね
年末と言えば年賀メールとして特別小説を
リア友に書いて送っているのですが
去年は連載していたトライブさんでした
今年は遊部になりそうです
‥‥あれ? JOKER関係なくなってるような‥‥?
次回、またもや問題が?