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第5話 喧嘩友達と呪いからの開放

セシルを少し休まして上げたかったが、邪神の器内の魂と、鈴音さんからの供給がなくなったことで、異変にはすぐ気づくだろう。俺達はすぐに鈴音さんと合流すべく

行動に移した。

鈴音さんがいる部屋の前、オークが二匹見張りに立っている。

どうしようか、思案していると、

「主様、ここはお任せ下さい。」

セシルが言ってきたので任せることにした。

「風の精霊シルフよ。契約に従い我が前にその力を示せ。」

呪文のような言葉を紡ぎ、魔力を集中してるのが流れでわかる。セシルの足元に

小さな魔法陣が出現し、光を放ち出すと、魔法陣から小さな妖精が出現した。

『お久しぶり~セシル。今日の要件は?』

「隠形術を掛けて欲しいの、ここにいる全員に。」

『いいけど、あなたの魔力じゃ枯渇しちゃうんじゃないの?』

「平気、やって頂戴。」

『了解。風の衣よ、彼のもの達を包みて姿を隠せ。隠形(ハイド)

淡い光のベールが俺達を包み込む。その瞬間、俺の前にセシルの姿が透け始めた。

「主様、足跡や小さな声なら大丈夫ですが、魔力発動や、攻撃動作は魔法が解除されてしまうのでご注意して下さい。」

注意事項を教えてくれたセシルだが、魔力を大分消費したのであろう、顔色が悪い

「妖精さん、俺がセシルさんの代わりに魔力肩代わりすることできる?」

あまりに辛そうなので気遣っての言葉なのだが。

『・・・・』

「妖精さん?」

『て・・・』

「て・・・?」

『天使がなんで、ここにいるのよ!!!!!』

「なんでって言われましても・・・とりあえずそれは置いといて。今の話だけど、

できる?できない?」

「扱いが雑すぎるのが釈然としないけど・・・まぁ、いいわ。できる、できないで言えばできる・・・よ。肩代わりだとその分消費も激しくなるけど・・・大丈夫なの?』

案外、気遣いのできるいい妖精なのかもな。この妖精さん。

「ん。問題ないよ。どうすればいい?」

『今、術が発動してるから、魔力もらう訳にもいかないわね・・・いいわ。血を

頂戴。血から魔力を吸わしてもらうわ。』

「血を吸うの・・・・吸血鬼みたいだな。痛くしないでね♥」

怪物(モンスター)と一緒にしないで!血は知よ。そんなのも知らないの?』

俺のボケは華麗にスルーし、小馬鹿にされた。訂正、性格悪い妖精かも。

「天使なり立てで、無知なのよ。そんじゃ、たんと吸いなっせ。」

俺は聖剣カリーナを抜くと、その刃に指を添える。すると、指から血が流れだし

その指を妖精の前に突き出した。思ったより、カリーナの切れ味が良すぎて、痛かったのは秘密だ。

「いただきま~す。んん・・・・うぅん・・・あぁあああ・・・」

妖精さんが俺の指をしゃぶりながら、悩めかしい声を上げている。それを見つめる

美少女天使・・・俺だ・・・なんてシュールな絵面だ・・・

そのとき、一生懸命おしゃぶりしている妖精さんが輝きだし、辺り一面が光に包まれた。

やがて光が収まり、ふた回りくらい大きく綺麗な妖精さんが現れた。と同時に

部屋の前のオークも気づきこちらに走り出してきている。

「隠形の意味ねーじゃねえか!俺の痛み損だぞ!これ!!」

もう、豚面は明確な敵意の目をこちらに向けて走り出してきている。

『力が溢れて堪らないのよ。こんな雑魚一瞬よ』

妖精さんが指を鳴らした瞬間、幾つもの風の刃が、豚面二匹を細切れにしていく。

過剰攻撃も甚だしい。見た目18禁画像が一瞬で出来上がり、風の刃は勢い変わらず、鈴音さんのいる部屋の壁をぶち抜いた。

「ちょ・・・おま!あの部屋にはマイエンジェルがいるんだぞ!!!!怪我でもしたらどうすんじゃ!ワレー」

『何よ!!!!ちょっと力使ったら、あんな威力だったんだもん!!!私は悪く

ないわ!!!!悪いのはあんたの血よ!!!!』

豚の細切れの前で口喧嘩する、妖精と天使・・・ポカーンと口を開けたままの

エルフが立ち尽くしていた。

『 告 血の盟約が交わされ、風の上位精霊ハイシルフを召喚できるようになりました。物質化(マテリアライズ)を習得しました。』

『何?今の声?風の上位精霊って私のこと?』

「そうみたいだな・・・けど、セシルさんが召喚したのってシルフって妖精だよね?」

セシルに聞いてみると、

「はい。その通りです。主様。私にはまだ力が足りなくて、上位精霊と契約なんて

できません。考えられるとすれば・・・主様の血が媒体となって進化を促したのかと・・・」

俺の血は、進化素材でした・・・・

一人切ない気持ちになっていると、何故か俺の頭の上に座りだしたハイシルフが

『進化♪進化♪仲間にじっまんしちゃお~♪』と即興の歌を歌いながらご機嫌の様子

である。

「あっと、鈴音さんは」

妖精と喧嘩やら、自重知らずのスキルのおかげで、鈴音さんのことを忘れていた

俺は慌てて鈴音さんの部屋に駆け出して行った。


鈴音さんは、反対の壁側に倒れていた・・・いや多分だけど、憶測だけど、きっと

寝返りうって反対の壁側まで転がっていったんじゃないだろうか・・・?

現に今も、気持ちよさそうな寝息が聞こえる。

鈴音さんと離れる前より遥かにいい顔色だ。頬にも赤みが指しているし。

部屋の真ん中辺りには、粉々に砕けた首輪があった。魂の浄化の余波を喰らって

砕けたのかな?

『 告 低級な魔法アイテムでは浄化の魔法に耐えられなかったのでしょう』

うぉ・・・自動で問に答えてくれるなんて・・・まさか叡智の書(マーリン)まで進化してきているってことか・・・?

『 告 叡智の書(マーリン)の進化は封印されています』

封印とな?スキルにも封印されていることがあるのか・・・後で聞いてみよう。

「起きて・・・起きて下さい。鈴音さん。」

「ふぁあ~おはようございます。(コン)さん」

「おはよう~。鈴音さん。待たせたね。」

やっと第1のミッションが完了だ。

この姿どう説明しよう・・・

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