第2話 初めての魂奪取
まずは自分達の置かれてる状況を整理しよう。
1、窓ひとつない石壁に囲まれた六畳くらいの部屋である。
2、部屋の中央に設置された黒い石と鈴音さんの首輪が継っていて気流が黒い石に吸われ続けていること
3、壁越しに、複数の黒い気流を感じる・・・あの目玉の仲間か?
4ここから二十メートルくらいだろうか・・・かなり弱いが白い気流
を感じること
5、鈴音さんの顔色がだんだん悪くなってきていること
「ゆっくりはしてられないってことだよな・・・」
俺は思わず舌打ちをしながら呟いてしまった。
「ごめんなさい。魂さん、急に体調が悪くなってしまって・・・」
大分、体が辛いのだろう・・・声も弱々しいが俺に向かって笑顔を向けてくれるのが
痛々しい。
「いいっていいって。鈴音さんは少し休んでて。俺は手がかりがあるか少し探してみるから」
「はい・・・気をつけて下さいね。」
俺は鈴音さんに、見送られ壁をすり抜けて行った。目指すは弱々しい気流だ。
壁をすり抜け移動してる中、詰所のような所に出た・・・出ちゃった・・・
マジでちびると思ったね!壁すり抜けたら、豚面の大男・・・身長2mは超えているだろう男が、ポージング決めてるんだもん・・・色んな意味で怖いわ!!!
叫びそうになるのをぐっと飲み込んで、物陰に隠れて観察してみると
「zrtjykbio・・・」
うん・・・全く聞き取れない・・・日本語じゃないことは確かだな。
続いて、身体的特徴はっと、豚面、マッパ、手にしているものは、錆びた剣。
これってもしかしなくても、オークじゃね?
ってことはだよ・・・オークがいるってことは鈴音さんがさらに危ないってことだよな?急がなくては。
幸いなことにオークには、俺を感知する力はないようだ。急いで気流
の元に向かった。
俺達がいた部屋と寸分違わぬ造りの部屋の片隅にソレは佇んでいた。
足元には、陵辱の限りを尽くされた女性の遺体。幾度も地面を掻きむしったので
あろう、地面には爪が剥がれて尚掻きむしった血の線が幾線もあった・・・
「あんた、何者だ・・・?」
「たす・・て助け・・・た・・・けて・・す・・・て」
強い恐怖に絶望しながら死んだのだな・・・魂が恐怖に縛られている・・・」
女性の死体を見てるのは気分のいいものじゃない。手がかりがないか探していると
『告 ソウルスティール Lv1 を使い魂を取り込むことで現状を打破する方法が
得られますが、使用しますか?』
お?そうなのかい?helpさんもちろんYes・・・
俺は、気軽に選んだ選択を心底後悔した。
ソウルスティールが発動し、魂に向かって白い気流が絡みついていく。彼女の生きた記憶、培ってきた技術、死の瞬間の強い恐怖と絶望が激しい
奔流となって俺に流れ込んできた。
『告 ソウルスティール Lv1の効果により、火属性、水属性、風属性、地属性
無属性魔法を取得しました。魔力感知を取得しました。杖術、短剣術を取得しました』
「うるせぇ・・・・うるせーんだよ!!!!!!!」
俺は魂の奔流に耐え切れず地面を転げ回り、泣き叫んだ。
落ち着きを取り戻し、今得た知識を整理する。力の使い方が分かってきた。
「彼女を弔ってあげたい・・・力を貸せhelpさ・・・いや叡智の書」
『告 魔力漏えい防止の結界を展開した後、清浄なる炎を
発動します』
結界が展開され、魔力の漏えいがないことを確認した俺は、清浄なる炎を発動した。
『・・・ありがとう・・・』
そんな優しい声が聞こえた気がした。
主人公のスキルがまたまた増えましてそろそろ、ステータスをまとめたほうがいいかもですね。後日、キャラ紹介も兼ねてまとめます。