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第1話 自分の存在の謎と言い寄れぬ不安

本日二話目の投稿です。よろしくお願いします。

俺は、しがない配管工だ・・・いや、だったが正解だな。今の状況を考えれば

過去形が正しい。目の前の惨状・・・大破し、炎上するバスとダンプ。

まだ取り残されているのだろうバスから聞こえる人々の悲鳴と怒号・・・

俺はバスの中の人を助けたい一心でバスに乗り込み、女性に手を差し伸べる・・・

気を失っているのか、俺の声に反応がない。ならばと、俺は女性の手を掴み

引っ張り上げようと女性の手を掴もうとしたが驚くべきことが起こる。

「手が掴めない・・・だと」

何度女性の手を掴もうとも、通りぬける。体も触ろうともだ。

「どうなっているんだ・・・ってウォ!」

突然の爆発に俺は体勢を大きく崩し、倒れこむ。

「これはものすごくヤバイ・・・・ごめんなさい・・・」

俺は目の前の女性を、助け出せずバスから飛び出した。

一番後ろの席に折り重なる遺体の中によく使っていた(・・・・・)であろう

スマホが見えた・・・

消防車、警察車両が到着し、実況見分の最中、俺は現場を呆然と佇んでいた。

警察関係者の「生存者0です・・・」との声が聞こえる。

周りを見渡してみると、遺体から人魂のようなものが抜け出し、辺りを彷徨っている。

人魂のようなものと言ったが、俺は見たことがないが本で読んだ俗説にでてくる

ものにそっくりだったからだ。

じゃあ俺はなんだ?そんな疑問が沸いてくる。俺の見た目は人そのものだ。

ひとつだけ違うのは俺の体が透けていることだけだ。

そこでまた疑問が沸いてくる。「死んだ者からは人魂がでてきているのならば

俺は死んでないのだろうか?」

思考の深淵に飲まれている時、突然空が割れて、中から巨大な目玉が出てきた。

目玉は辺りをギョロギョロ見回してる。よく見てみると目玉の中に瞳が二つ

ある。現実世界にはいちゃいけないものだということはその容姿から簡単に

想像できる。ちなみに生前?からの危険察知(面倒事逃げる)能力のおかげで

警察車両の物陰に隠れ済みである。

しばらくギョロギョロと辺りを見回していた目玉はリキんだと思うと

何本もの触手をだし、人魂を乱獲し始めた。触手が人魂を捕まえると目玉が

半分に割れ口が現れる。口目掛けて触手がどんどん人魂を放り込んでいく。

俺はその捕食の時間をただただ震えながら、時間がすぎさるのを待った。

目玉は人魂しこたま喰らい満足したのだろう。親父臭いゲップをひとつかまし

空の割れ目へと引き返して行った。

「邪・・・・・グ・・ま・・・かい」

目玉はうわ言のように呟くと、空の割れ目に消えていった。

俺はその呟きに言い寄れぬ不安を感じながら目玉が消えた空を眺めていた




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