第7話 前哨戦(セシル視点)
初の試みのヒロイン視点での話を投入します。作者も初の試みですので拙い文章になりますが、お付き合いください。
感想、評価お願い致します。
主様の奇蹟を開幕に、私達は戦闘態勢に入った。私の手には主様より貸して頂いた聖剣カリーナが握られている。ここに来る前に装備していた
盾と鎧は私が捕まった時に砕かれてしまい今は、綿の服のみである。それに私と同じ
使徒である人間はおおよそ戦闘ができる出で立ちでは無く見たことがない服を着ている。私の思考は即座に、戦闘要員から除外し、如何に立ち回るかを考えていた。
『 告 使徒セシル。あなた一人で闘うのではありません。使徒シルフィーナ、使徒鈴音とともにゴーレムを殲滅しなさい。主より大いなる加護がもたらされます。望みなさい。あなたの望む力を・・・その力で主の敵を殲滅しなさい。』
頭の中に天啓が響く・・・また私は奢っていた。自分の力でなんとかしようと・・・主様の天啓が私を導いてくれる。それを信じ主様の命令に従うのみ。
「守る・・・守る力が欲しい・・・どんな理不尽な事柄からも皆を守る力を、我にお与えください!!!」
『 告 使徒セシル、使徒シルフィーナ、使徒鈴音より加護の要請を受諾。天使武装展開します』
主様より頂いた、羽飾りが光輝き私の身体を包む。光が次第に収まり私の身体には
白銀色の甲冑を身に纒っており、左手には塔盾が装備されていた。
シルフィーナを見てみると、手には緑色の宝石が頭頂部にある短杖を持っておりその宝石から膨大な量の風の魔力が感じられ、鈴音という名の不思議な服を着た女の子は、聖女と呼んで相応しいほどの白銀の神官服を纒っており手には長杖が握られていた。
目の前にいるゴーレムは3体、奥に邪神像がいる。
「まずは3体を片付ける。いくぞ!」
私は走り出し目の前のゴーレムに向かい剣技を繰り出した。
「ダブルスラッシュ!!!!」
聖剣が輝き、ゴーレムに必殺の剣技が命中する。これで突進を止められると思ったら、ゴーレムが爆砕した。
「は・・・・え・・・?」
他の物が見たら相当間抜けな顔だっただろうことは容易にわかる・・・それでも出ずにはいられない。足止めに放った剣技が必殺の剣技になっていたなら誰でも
驚くだろう。私が惚けていると、「何惚けているのよ!!!」と怒鳴り声がし、後ろから暴風が吹き荒れた。
「へ・・・・・?」
後ろを振り返るとシルフィーナが呆けた顔でこちらを見ている。
再度、二体目のゴーレムを見やると、吹き飛ばされ壁に激突し粉々に砕け散っていた。
「何よ!この杖!!!!魔力増幅力がおかしいことになってる!!!!」
「私のこの鎧は身体強化の加護があるらしい・・・・おかしいくらいに威力が上がっている。」
と戦闘中にも関わらず、装備の感想を述べていると、3体目のゴーレムは攻撃目標を鈴音に変え、突進してきた。
「しまっ・・・」
「邪なる者に、戒めの鎖を・・・・鎖縛結界」
床から、聖なる鎖がゴーレムを雁字搦めにし、完全に動きを封じた。
「連続詠唱・・・・神の使徒に仇名す者に裁きの光を!!!聖光」
聖なる白い鎖が眩い光を放ち始めると、ゴーレムの身体にヒビが入り砕け散った。
守護騎士団10人係りでなんとか倒せるゴーレムを一瞬の間に3体・・・ものすごい性能の武器もそうだが、鈴音という女の子は大した聖魔法の使い手だ・・・
私はまた侮ってしまっていたのだな・・・と考え心の中で鈴音に対し謝罪した。
「シルフィーナ!鈴音!邪神像を破壊するぞ私が引き付ける!鈴音は足止め、シルフィーナが止めを!!!」
私がそう叫び邪神像に飛び出し、塔盾で殴りつける。邪神像は私を標的にし、拳を振り上げ殴ってくるのを、塔盾で防ぐ。
それだけでも身体が軋み出し悲鳴を上げるが、歯を食いしばり堪えきる。
「こんな痛み・・・仲間とセシリアが受けた屈辱に比べればどうてことない!」
見事、引きつけとその場への固定を成功し、塔盾に装備された射出杭を足に目掛け射出し、地面に縫い付ける。
「鈴音!」
私が鈴音を呼び、後方に飛び退くと魔法詠唱を完了した鈴音が、こちらを見つめウィンクして答えてきた。
「放て!百条の裁きの光!百条の断罪の光」
百条もの光が邪神像貫き、破壊していく。
「シルフィーナちゃん!」
「はいよ!吹きすさべ神風!我が敵を塵となせ!灰塵の風」
文字通り、邪神像は滅びの風をその身に受け塵と化した。
こうして私達、使徒三人よる戦闘は圧勝で幕を閉じた。