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第1話 覚醒(めざめ)の時
朝。いつもと変わらない朝。
母さんが亡くなって早10年…。
俺も高2になった。
そろそろ進路を考えなければならない…。
しかし…何だろう。この最近、無性に駆られる感情がある。
怒りだ…何故だか分からない…。
怒りが俺を支配した時、俺はどうなっているだろうか…。
自問自答しても答えが出ない。
当たり前か…。
そんな時…!
ゆいの声が聞こえて来た。
『りゅーう!りゅーう!ってば!もう8時だよ?起きろ〜』
声の主は、虹乃河ゆい。
俺の幼なじみでもあり大切な存在だ。
ゆいに…何かあったら、俺は…。
『分かった、分かった。起きるよ』
ギリギリまで寝ている俺を毎朝起こしてくれる。
俺は今、訳あって虹乃河家へ居候中って訳だ。
訳は後々話すとしよう…。
長くなるし…な。