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『…!なんて事。まさかαが倒されるなんて!…牙原隆。まさかこんなに早く獣化するなんて…一体何故!?…どちらにしても、この計画は、一筋縄じゃ無理そうね……くそっ。あの方に報告しなければ…!』
そう言うとサッ何処かへ女は、消えていった。
急激な変化で肩で息をするのだが…少しずつだが精神を落ち着かせていった…。
俺は、眼を瞑り瞑想をした。
割れた額は、少しずつ元に戻り伸びた爪はまた元に戻っていった。
だが、爪と同時に変化した口に生えた牙は少し短くなったぐらいだった。
…そう。もう俺は人間でなくなったのだ…。
飛び散った血を拭うと我にかえった。