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 ウソやはったりではない。シャルの言葉は真実だった。


 しかし、一般的な女子高生(卒業後はフリーターになる予定)のあいなには、驚天動地きょうてんどうち、一生に一度起こるかどうか分からない異常事態に他ならない。


 持ち前の気の強さをフル活用し、あいなは言った。


「どうして、指輪ごときで一生を左右するような選択を強制されて決めなきゃならないんですか!?私にも選ぶ権利があります!女子高生ナメないでくださいっ!」


「お前に拒否権はない。二度も同じことを言わせるな」


 シャルは言い、あいなの右腕を強引につかんだ。


「きゃっ!」


 彼女は、シャルの腕をブンブン振り回し、


「ヘンタイ!誘拐犯!誰か、この人捕まえてください!」


 と、大声で叫んだ。


 しかし、彼女を助ける者はひとりもいない。なぜならここは、彼女の自宅、しかも室内だからだ。幸か不幸か、同居中の家族は不在ときた。


「っていうか、ここ、家の中なんですけど!鍵かけてあったはずなんですけど!シャルさん、どうやって入ってきたんですかっ!?」


「話をそらそうとしているのか知らないが、無駄な抵抗はするな」


「いや、これけっこう大事っていうか、気になることなんですがっ!まさか、これはナンパではなく新手の誘拐……!?」


「お前は口より頭を動かした方がいいな。黙って俺についてこい」


「そんなー!!っていうか、サラッとひどいこと言いましたね今!」


 どれだけ力一杯腕を振っても、シャルの力にはかなわない。あいなは、見ず知らずのブロンドイケメン王子の手によって、異世界に連れていかれてしまったのである。


 少し歩けば汗ばむ、初夏の出来事だった。



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