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つれづれ  作者: こおり
4/10

夜の妖精

どうしてもと、君が言うから。僕は手を引かれるままにあなたについて行く。


真夜中の散歩。


あなたは錆び付いたママチャリを漕ぎながら。僕はそれに追いつくように小走りで。


静かな住宅街の中キイキイと、錆びたチェーンベルトの音が響く。あなたと僕の小さな散歩。


「もっと早く。」と僕が追い抜き、「ちょっと待って」とあなたが回す足を速めて。


追い抜き、追い抜かれ、はしゃいだ僕は、つい疲れている背中を見て悪巧み。


誰も乗っていない荷台を力強く押す。

少しばかりのイタズラ心。一瞬の追い風のつもり。


彼女が少し前へ行く。少し揺らぐハンドル。

勢いよく倒れる錆びたママチャリ。

道路へはみ出るあなたの身体。


僕は、ぼくは。


勢いよくやってきた車が連れていく。

僕の大好きなお母さんを遠い世界へと連れて行く。


街灯が綺麗だった。


妖精みたいだな、

血に染まる路上を見ながらそんなこと思った。



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