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つれづれ  作者: こおり
1/10

アキラメ

ブラインド越しに太陽がギラギラと輝く。直視しすぎた右目が熱を持つみたいに、ジワリと痛んだ。


帰りの車輌はいつも少し空いている。朝のぎゅうぎゅう詰めが嘘みたいに、ところどころに空席がある。


僕はその中のひとつに座って、少しずつ増えていく田んぼに目をやる。一駅、また一駅と地元に近付くにつれ、高いビルは減り、平屋が増える。


背後から電子音で奏でられたエリーゼのためにが聞こえる。直後におばさんのけたたましい話し声が聞こえ、僕は思わず目の前のおじいさんに社会のルールを確認したくなった。


おじいさんは閉じていた目をうっすらと開け、「仕方ない。」と言わんばかりに呆れた表情をしてから、また目を閉じた。



僕はその老人の表情になだめられ、また窓の向こうに目をやった。



そうか、世界はこんなものか。



赤い夕焼けが、街を一色に染める。その色は、僕のなかで膨らんだ諦めの色みたいだった。


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