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1-5


















ガラガラと瓦礫が崩れる音がする。もくもくと砂埃が立っている。

その様子を茫然と見つめる。

え、た、大砲でも打たれたんですか?





「みーつーけーたーぜぇ…?………逃げんじゃねぇよ。」






砂埃が収まって、一つの影が見える。

これまた身長の高い、赤い長髪を一つでまとめてくくっている野性的な男性。

ちなみに、私の隣に立っている人は茶髪だ。

茶髪といっても、日本人が染めた感じじゃなく、地毛なのだろうサラサラとしていて綺麗だ。


と、そんな事はどうでもよくて。






まさか、まさかだけどね?この瓦礫を拳で壊したなんて事…、無い、よね?







思わず後ずさりする。

危険だ。逃げなきゃ。


そう思ったとたん、茶髪の人に腕をひかれ抱きあげられる。






なになに!?







「走るぞ。口を開くな。舌をかむ。」



ええぇぇぇえええ、!?ちょ、ま、っ!



それから、茶髪さんは物凄い勢いで走りだした。

オリンピック選手顔負けの速さで、だ。


いろんな町の角を曲がったり潜ったりと、相手を巻くように道を選ぶ。




「待ちやがれーっ!」



という声とともに赤毛の彼が追いかけてくる音がする。

茶髪さんが苦しそうな表情を浮かべていたので、私を抱えてはきついのでは、と思った。


「そこの角、!右に曲がって!」


咄嗟に私はそう言う。

街を何度も行ったり来たりしているのだ。構図は覚えている。

茶髪さんは私の言うとおりに動いてくれた。



「そこを左に!次はまっすぐ、右言って、右を曲がって、そこ潜って、!」



アーチになっている林のようなところに出たところで、いったん捲けたのだろう、私を下してくれた。


「厄介事に巻き込んで済まない。君は此処から帰りなさい。」


「あ、はい、分かりました…。」


「では、。」


そう言って、茶髪さんは華麗に去っていく。
















いったい、今日は何の厄日だ?

そもそも、いったい彼らは何者なんだ?

来ている服装や、品がよさそうなところから指摘族には間違いない、と思う。

なんて事に巻き込まれたんだろう私。


ただ、平凡に過ごしたいだけなのに。


そこで、はた、と気づく。






















買った物ぶちまけて帰ってきちゃった!

あーもー、どーすりゃいいの。


























踏んだり蹴ったりな一日が終わった。

でも、これは私の災難の始まりにすぎない。






















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