1-1
この世界に来て、色々あったけど、大切な人と出会って、愛する人が出来て。
奇跡があるなら、きっと、私のこの日常が奇跡なんだね。
偽物語―にせものがたり―
ふああ、と欠伸をする。眠い、眠いよすごく。
季節は秋。食欲の秋だなぁ、なんて考えながら帰宅の道につく。
私は朝霧澪。ごくごく普通の女子高生だ。
ごく普通と思っているのは私だけで、友達からは冷めている、とかよくいわれる。
私はただ単に面倒事を避けているだけだ。
私は、昔から人の目を見ると大体相手がどんな人間だかわかる。
それは、特殊な能力などという物というわけではなく、ただの勘だ。
幼稚園児の頃には格好良いお兄さんに声を掛けられたが、すぐに犯罪者だと分かった。
逆に、中学生のころは皆に嫌われている先生がいたが、目を見てちゃんと話してみれば気さくでいい人だと分かったり。
そんな些細な事だけど、自分の子の目は結構気に入っている。
面倒な事を避けられるだけではなく、いい人を見つけられるって、かなりお得だと思う。
まあ、ただ人間観察が上手なだけだと思うんだけどね。
そんなこんなで、私は面倒事に巻き込まれる事も無く平凡な日を送っていた。
送っていたんだけど。
帰り道、それも普通の歩道橋で 落ちる って、どーいうわけ?
はじまりました、新連載。
王道の良世界トリップものです、。
ゆったりまったり更新していこうと思いますので、どうぞ宜しくお願いします。