9/10 河童2
結論から言うと、相撲で白黒つけることになった。
河童といえば相撲!
想像通りだわ。(´ー`*)ウンウン
とりあえず相撲が始まる前に、一番気になっていたことをマッチョの喜助に聞いてみることにした。
「なんでそんなカタコトでムキムキなの? 河童って言ったら、そこの春太みたいな感じを想像するんだけど」
私がそう言うと、喜助は春太と千鶴の顔を順番に見て、やれやれとでも言いたげに肩をすくめた。┐(´д`)┌
「オレは昔カラ、“河童の川流れ”ッテ言葉が嫌いデネ」
「ハイ?」
「アエテ川の流れニ逆ラワズ、ぷかぷか流サレテイタラ、気ヅイタ時ニハ自由ノ国ニ辿リ着イテイタッテワケサ」 ( ・`ω・´)キリッ
「さっすが兄貴! スケールが違うっす!」
「男らしいわ〜ん。流されるだけでアメリカまで行くなんて素敵〜」
「俺トシテハ、ヴェネツィア行きたカッタガナ」
ただのバカでしょ。
「見ナ! コレがアメリカ仕込みノ技ダ!」
喜助が得意げにサングラスを指で押し上げる。
「我が指に集いて形をなせ、水鉄砲!」 (`・ω-)▄︻┻┳═一
喜助が枯れた大木に向かって指を突きつけると、水の弾丸が一直線に飛んで木に当たり、木屑が派手に散った。
呪文は流暢なんだ。てか日本語なんだ。
喜助、春太、千鶴の三人が「イエーイ!」とか言いながらハイタッチやグータッチをしている。(ノ゜Д゜)八(゜Д゜)八(゜Д゜)ノィェーィ
めんどくさいから、こいつらは今後キハチトリオと呼ぼう。
「ッハハハ! ビビらせチマッタカナ? オウチニ帰ッテ、ママのオッパイしゃぶるナラ今の内ダゼ?」 ( -`ω-)
すっごいバカにしてくるな。
とりあえず私も真似してみる。
「我が指に集いて形をなせ、水鉄砲!」
――瞬間。
指先から飛び出したのは、水の弾丸なんて可愛いものじゃなかった。
水のレーザーである。
しかも枯れた巨木を貫通したあと、後ろの木をまとめて何十本も薙ぎ払っていった。
森の一角がちょっと終わった。
――またやっちまったぜ……。( ・д・ ポカーン…
「……ハ、ハハッ……ハハハ……マアマア……ヤルジャナイ……」 :(´◦ω◦`):プルプル
喜助の膝が、残像が見えそうなくらい震えている。
「兄貴ぃ〜。兄貴なら勝てるっす〜。信じてるっす〜」
「春太〜。あなたのこと、前からなんとなくいい感じだなって思ってたの〜」
千鶴がもう鞍替えしやがった。
「……サテ、相撲……。相撲……ネ。本当ニやるノ?」 (`・ω・´; )
コワモテのくせに、怯えた子犬みたいな目を向けてくる。
「私に二言はない」
「……ホラ……土俵問題トカ……イロイロ……サ」 ( ; ・`д・´)…ゴクリ
「――ノープロブレム」
私は川原に描かれた円の中に入り、どんと構える。
「――はっけよい!」
「――のこった!」
春太が行司役として声を張る。
「ウオオオオオオオオオ!! 鬼騙シ!!」
春太の掛け声と同時に、喜助が真上へ跳んだ。
そして次の瞬間。
喜助の頭が、太陽より眩しく光り始めた。
(*´つ_⊂`) まぶしっ
……目潰し?
「水鉄砲ォォォォ!!!」 ( `°罒°)ムキー
上空から水の弾丸を乱射してきた。
おいコラ相撲どこいった。
私は全弾避け、そのまま土煙に紛れて喜助の背後へ回り込む。
そして――
ドグシャア!
「決まり手ぇ〜、ジャーマンスープレックス〜! 緋色の海の勝ち〜!」
春太が声高々に宣言した。
見せかけだけの筋肉じゃ、私には勝てないぜ! (`・ω・´)
気絶した喜助を叩き起こす。
「マイリマシタ……」
二メートル近い身長も覇気がないと縮んで見える。
それからキハチトリオとは話し合いの末、たまに釣りをさせてもらえることになった。
ついでに「うなぎとか美味しい魚も養殖して」と頼んだら、渋々ながら了承してくれた。
やったぜ。
まあ、タダで釣りをさせてもらうのも忍びないし、今度きゅうりでも持っていこうと思う。
家に帰って、おじいちゃんと葵にヤマメを振る舞う。
……まあ、捌くのも焼くのも葵だけどね。
「っうま! このヤマメ、めちゃくちゃ美味しい。身がふわふわで、脂もすごく乗ってる!」
葵が感動した顔で言う。
そうじゃろ、そうじゃろ。
私もひと口食べる。
皮は香ばしくて、身はふっくら。
しかも脂がしつこくなくて、塩だけで無限にいけそうなくらい美味しい。
思わず口をついて出た。
「オー・マイ・ゴッド! このフィッシュの旨さは国境越えるね!」
その瞬間、リビングが凍りついた。 シ━━━━(´・ω・`)━━━━ン
喋り方うつった。
何言ってんだこいつ、みたいな目でおじいちゃんと葵がこっちを見ている。
……今度また喜助と相撲取りつつ、ボコボコにしてやるわ……。(#^ω^)ビキビキ
……河童のキャラが濃すぎて、日記に書くだけでどっと疲れたわ……。
でもヤマメは美味しかったから、また行く。




