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9/28 朽花御霊

 白羽の予言通り、今夜朽花御霊がくるみたい。

 

 遠くから地響きが聞こえる。


 おじいちゃんは朝から、私たちに絶対外へ出ないよう言い残して、どこかへ行ってしまった。


 時刻は二十二時。いつもならもう寝ている時間なのに、妙に目が冴える。


 葵も同じみたいだ。


 布団の中で、何度も寝返りを打っている。


 地響きみたいな、腹の底まで響く音がどんどん近づいてくる。


 時折、雷でも落ちたんじゃないかと思うような轟音まで混じる。


 ……なんだろ。


 お腹の奥がむずむずするような、少しだけわくわくするような、不思議な感覚がした。


 昔から、雨の日に雷の音を聞くのが好きだった。


 怖いはずなのに、胸の奥がざわついて、変に気持ちが昂る。

 たぶん今感じているのも、それとよく似た感覚だ。


 私とは反対に、葵は怖いのか小さく震えていた。


 ――しょうがない。


 私は葵の布団にもぐり込んで、背中からそっと抱きしめる。


 細い背中は少し強張っていて、触れたところからその緊張が伝わってきた。


 ――大丈夫。


 いつもと一緒。

 今日もきっと、なにも起きないさ。

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