空の猛者
俺達一向は行く当てもなくただ進んでいる。
別に目的地があるわけでは無い。
道中に兄弟や、手頃なプライドがあればいいなと思っているからだ。
だが、ノマドになって一年経つというのに全然他のライオンに会わない。
この広大な大地とはいえ、ゴートン曰く5千はいるとの事。
さすがにそろそろプライドを見つけられてもおかしくないはず。
とはいえ、俺の目指すプライドじゃなければ意味がない。
できれば強いオスライオン達が治めているプライドが欲しい。
そうすれば自ずとメスも強いのが揃っているはず。
「あーーーこんな時、遠くが見える物とか空飛べる物があればいいのになぁ」
ついつい愚痴がこぼれてしまった。
「遠くが見える物なんか知らないけど、空を飛んでくれる奴なら知ってるぞ」
俺の愚痴にゴートンが答えてくれた。
さすがはゴートン。最早サバンナ博士だ!
「なるほど!ソイツも仲間にすれば偵察してくれたり、斥候を任せられるんだな!」
「偵察?!そうか!確かにそうだ!空を飛ぶ仲間がいれば俺の生存確率も上がるじゃん!絶対仲間にしようアラン!!!」
自分のためとなるといつも必死なヒヒのゴートン。
まぁ、俺達はライオンだから自衛できるけど、ヒヒには厳しいもんな。
「それで空飛ぶ奴って誰なんだ?」
「恐らくヘビクイワシの事だろう?」
ゼロがそう呟いた。
ゴートンがなんで先に言うんだよ。
とイジイジしながらイジケテいるが無視。
「ヘビクイワシか。なんか強そうな名前だな!」
「俺も名前は聞いたことあるがあいつら空ばかり飛んでるから滅多に見れねーぞ」
なるほど。ガランも知ってるのか。
そうか。鳥なんだから空飛んでるよな。
はてはて。
困ったなぁ。
撃ち落とすこともできないし、俺達の声が届くかもわからないし。
そもそも、空を見ることなんて普段してなかったからな。
「ゴートン、なんか考えてくれ」
さすがに空飛ぶ鳥には俺もお手上げだ。
考えるのがめんどくさくなったからゴートンに任せた。
「ふっ、いいだろう。この天才ヒヒのゴートン様がヘビクイワシを仲間にするとっておきの方法を考えてやる!」
仲間が増えればその分安全も高まる。
ゴートンのやる気が出ている内にとりあえずヘビクイワシをまずは探さなければな。
俺達は再び歩き続ける。
だが、今回は下よりも上を見上げながら歩いた。
その時、突如後方より殺気を感じた
「ッ?! ゴートン伏せろ!」
俺は声を張り上げる。
ゴートンも突然の事で何もわからないまますぐに地面に伏せた。
そして、ゴートンの頭をチリっと何かが掠った。
「熱っ!!!えっ?!何?!禿げたかと思った」
「何?!ハゲタカだと?!」
「違う違う。頭、禿げた、かと、思った。おわかり?」
ゴートンとガランのコントは無視して、襲撃者についてだ。
アイツは間違いなくゴートンを狙っていた。
しかも、わざわざ真ん中にいるゴートンを狙って。
空を見上げると眩しくてずっとは見てられない。
だが、姿は確認できた。
大きな鷲のような姿。
「ん?………アイツは、、、アイツがヘビクイワシだぞ」
ゼロの言葉に俺は驚く。
それと同時になんたる幸運だと歓喜する。
やはり運がついている。
俺が望む物達が次々に現れるではないか!
さぁて、どうやって仲間にしてやろうか。




