最強の布陣
我ながら良い仲間達に巡り会えた。
自称天才であり手先の器用なヒヒのゴートン。
突然変異種か、他の同世代のライオンよりも一回り大きく強力な力を持つガラン。
これまた突然変異種か白く美しく、ライオン界でも見た事がない速さで走るホワイトライオンのゼロ。
そして、そんな彼らをまとめる、頭も力も統率力もあるリーダーの俺。
完璧だ。
これほど短時間で優秀な仲間に恵まれるとは。
本当に運がついている。
プライドを追われ兄弟とも引き裂かれ、絶望していたのが嘘のようだ。
ガランとゼロを率いて俺はゴートンの待つ拠点へと向かう。
ゼロが仕留めたシマウマはしっかりとガランが運んでいる。
「おーいゴートン!戻ったぞ」
ゴートンは木の上で作業をしていたようで、俺が呼ぶと降りてきた。
「遅かったじゃないか!待ってる者の身にもなってくれよ!心配でどんどん禿げてくるんだから!………えっ?」
俺に悪態をつくも、後ろにいるホワイトライオンに気付いた様子。
「このヒヒがアランの言っていた仲間か。今日から俺も仲間になった。ゼロだ。よろしくな」
事前に言わないと殺されるかもしれないため、ゼロにもゴートンの説明はしていた。
まぁゴートンにはサプライズみたいになったが。
現に驚いて口を大きく開けたまま固まっている。
そして、何やらゴートンが俺を手招きしている。
聞かれたくない事があるようだ。
「おい。ホワイトライオンじゃないか。白い変異種は周りに不幸を巻き込むと言われているんだぞ」
なんだ。また迷信か。
俺はゴートンの言葉に呆れる。
「いいか。そんなのただの迷信だ。それにあの美しい姿を見ろ。どこからどう見たって幸運を巻き込むだろうが。
いいか、白ってのは全て善と繋がる。
天使は白だし、神様だって白い布を羽織っている。
この世界でも白が善、黒が悪と決まっているのだ。
そもそも、お前だって白い毛が混じってるし、ケツも白いじゃねーか」
「なっ、俺が言ってるのはそうじゃなくてだな!
ま、まぁいいよアランがいいのなら。
とにかく、目立つのは間違いないし今後は今まで以上に狩も難しくなるぞ」
ゴートンの心配を他所に俺は笑う。
「ふっ、お前もゼロの力を見れば驚くぞ。まぁ楽しみにしておけ」
とりあえずゴートンとゼロも顔を合わせた為、これでゴートンが食われる心配はなくなった。
そもそも、ヒヒなんて余程獲物が取れない限り食べはしない。
そう。美味しくないのだから。
だが、それを言うとゴートンが調子に乗った時の脅し文句に使えない為、敢えて言わない。
俺達はゼロに美味しい内臓を譲り、三頭で肉にありついた。
「やべーよ。ライオンが三頭。俺、本当に大丈夫なのかな………でも、ある意味この中が一番安全だよな」
ゴートンはシマウマを食らう三頭を見ながら怯える。
口元を真っ赤にして肉を引き裂くその姿。
顔を青ざめながら再び作業に戻るのであった。




