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プライド そう 俺のプライド 〜ライオン転生〜  作者: ディアン


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便利


 ゴートンが作業を進めてから一ヵ月は経過していた。


 やはり、ヒヒが器用とはいえ一から鞄作りなどそう上手くはいかない。


 何度も失敗しながらもようやく完成させたのだ。

 見た目は歪だが繊維をうまく使ってショルダーバッグのようにしていた。


 俺は鞄という物しか教えてないのに、それをアレンジしてショルダーバッグにしたのはさすがである。

 


 ちなみにガランは飯が食べれればどこでも良いようなので、そこは安心だ。


 ガランが暴れたら手に負えないからな。



 この拠点で何度も狩をして皮を入手し、更にゴートンが作り、だいぶ生活の幅が増えた気がする。


 まずはもちろん傷薬を入れるためのショルダーバッグ。

 そして、簡単に大きな鞄も作っていた。


 これは俺達のためだった。


 実はゴートンが鞄作りをするのと同時に干し肉作りのための装置も着手してもらったのだ。


 ゴートンが火打石を使い火を焚いてくれ、その上に網状の枝を作り肉を置いてもらった。



 これも何度も失敗したが、ようやく干し肉を作る事ができた。



 これはまさに革命である。



 もちろん生肉の方が断然美味いが味はガランもお墨付きである。

 なにより、好きな時に食べれるのが大きいだろう。


 時には獲物がいなくて狩ができない時もあるかもしれない。

 とはいえ、取った肉を取っておくこともできない。



 この炎天下の中置いてはあっという間に腐るしウジが湧く。

 だが、干し肉であれば断然日持ちするのだ。



 俺の知識をゴートンも怪しんでいるが、もうしばらくは誤魔化せるだろう。


 何より、俺自身も人間の記憶はあれど自分の名前やどんな人間だったのかはわからないのだ。


 まぁ今更思い出せなくても良いのだが。


 とにかく、干し肉も完成して俺の首から大きな鞄をかけてそこには大量の干し肉が入れられた。


 何故俺の首にかけるかというと、ガランにかけては鞄ごと干し肉を食べてしまいそうだからだ。


 ガランならあり得る。


 こうして、薬も完成し、非常食も完成し、俺達の旅は格段に楽になったのだ。


 やはり、当初の思惑通りヒヒを仲間にするのは正しかった。

 そして、ゴートンという存在に出会えたのは大きかったと言えるだろう。



 目の前には鼻を穿って指についた鼻糞を食べるゴートンの姿が………。



 ま、まぁこれも含めてゴートンだよな。

 そう言い聞かせながら俺達はこの拠点を後にし再び旅路へと向かう。



「結局一ヵ月以上も滞在しちまったけど、成果は十二分だな!」


「当たり前だろ!見ろこの鞄!俺が発明した肩掛け鞄!これならば両手も自由に使えるんだぞ?どうだ?すごいだろ!!!」



 ムカつくけど確かにすごい。

 まさかヒヒにこれほどの知能があるとは。

 いや、ゴートンが特別なのかもしれない。

 やつは本当に天才なのか?と思うようになってしまった。

 本人には絶対言わないけど。



 ガランも嬉しそうに干し肉を齧りながら歩いている。



「生肉よりはうまくねーけどいつまでも噛んでられるのはいいな!!!」


 とりあえず、仲間も道具も揃ってきた。

 あとはこのまま仲間を増やしつつ姉さんとカイルを見つけて俺のプライドを取り戻すのみ。


 ハンの仇は必ずとる。



 アランは強い眼差しで遠くを見つめるのであった。

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