第一歩
ゴートンを仲間にして俺達は歩を進めていた。
ヒヒである彼が地面を無防備に歩くなど、本来あり得ないが、俺がいるため久しぶりに地面を歩けていると喜んでいた。
「はぁーーー周りを気にせず歩けるこの感動。仲間にも教えてあげたい!俺は幸せだ!エイドリアーーーン!!!」
「よくわからんが、仲間になったからには俺の目標を伝えようと思う。俺は自分のプライドをつくりたいんだ」
「プライド、、、まぁライオンのオスなら当然の責務だな。だが、そうなると必要なのは仲間だな。アランはまだ一歳だろ?大人になっていない身体では勝てないしな」
ゴートンの言う通りである。
そして、やはり彼は頭が回る。
すぐに賛同するのではなく、改善点などを教えてくれる。
性格はどうあれ、使えるのは事実。
「あぁ、だからノマドのライオンを二匹ほど仲間にしたい。この辺にもプライドはあるのか?」
実は一年以前のプライドに住んでいたが、あの三頭が来るまで他のライオンに会った事がないのだ。
だから、このサバンナにどれくらいライオンがいるのかわからない。
「もちろんあるぞ。そして、このサバンナには約三千頭のライオンがいると言われている。俺の爺様が教えてくれた!ちなみに一番多いのは水牛。百万は超えるらしいぞ」
この情報には驚かされた。
まさか数までわかるとは。
水牛の百万頭を聞くと少なく感じるが、ライオンが三千頭もいるのは嬉しい情報だ。
これだけいれば、ノマドもたくさんいるはず。
それにこの近辺にもプライドがあるということはノマド達もいるはず。
「さすがだなゴートン!ちなみにこの辺にノマドは見たか?」
アランに褒められ照れくさそうに
「お、おう!そりゃいるぜ!あっ、、、でも、そのノマドはやめた方がいいかもしれない………」
先程までの態度とは打って変わって歯切れの悪い態度のゴートンに首を傾げる。
「そのノマドはお前と恐らく歳は変わらないけどすげー凶暴だって噂だ。俺も遠目から見たけど恐らくお前よりも一回り以上デカい。歳は変わらないのにだ」
ゴートンの話を聞いて俺は心が躍る。
絶対に仲間にしたいと。
どうせプライドをつくるなら最強のプライドをつくりたい。
そして、母さん達を助けたい。
ゴートンは怯えているが、俺は逆に歓喜していた。
「よし!そいつの元に案内してくれ!」
アランの言葉に放心する。
「………えっ?聞いてなかったの?俺の言葉?ねぇ?
お前よりもデカくて凶暴だって話したよね?死にたいの?また俺をぼっちにするの?」
なんかめんどくさい彼女みたいな奴だなと思いながらも俺はゴートンを説得する。
「安心しろ。別に戦おうってわけじゃない。まずは遠目からでもいいからソイツが見たいんだ。同じライオンとしてな!」
戦うわけではないと知ったからか渋々と了承してもらい、ゴートンは道案内をしてくれる事になった。




