ぼっち同士
「ってかお前ノマドだな?」
すげーな。
自分の種族の知識じゃなく、他の種族の専門用語まで熟
知しているとは。
やはり、猿は頭がいいんだなと関心する。
「あぁ。色々あってこんなに早くなっちまった。お前はヒヒなのか?」
「サバンナヒヒだ!お前も知っているだろうが、このサバンナで一番頭がよく、容姿端麗で、賢者の様な存在!
その中でも群を抜いて天才なのがこの俺!サバンナヒヒのゴートンだ!」
コイツの性格はともかく、確かに知識は多そうだ。
使えるものは使う。
それが俺の命を守る事になるだろう。
「ゴートンか。俺はアラン。知っての通りライオンだ。
お前は一人なのか?」
その言葉にゴートンはギクっと身体を震わす。
どうやら訳ありの様だ。
「まぁ、一人というかなんというか。みんなが俺の知能についてこれなくて嫉妬して、俺といるのが嫌になったのかな?うんうん。それで、俺が起きたら誰もいなくなっていた。つまり、俺は………ぼっち。」
しょんぼりしながらヒヒは小枝を手に持ち地面をほじくって項垂れていた。
よし。
俺はチャンスを掴んだ。
実は前々からヒヒというか猿系は仲間にしたいと思っていたのだ。
知識はもちろんだが、欲しいのはその手だ。
ライオンとは違い彼等には手がある。
そして、指を器用に動かし、今持っている小枝の様に自由に扱う事ができる。
ライオンの欠点は傷だと俺は思った。
怪我をしても治す事ができず、放置して自然治癒というのが基本。
それが例え重症だとしてもだ。
だが、ヒヒの器用さがあれば傷薬を塗ったり、もしかしたら縫ってもらうことも可能かもしれない。
それだけではない。
彼等なら火を起こす事だって可能かもしれない。
つまり、俺はプライドをつくるにあたってまずはライオンの仲間よりも猿が欲しかったのである。
そんな時に、こんなにも早くヒヒであるゴートンに出会えたのは幸先がいい。
俺は早速ぼっちである彼を仲間に加える事にした。
「なぁ、ゴートン?お前は確かに天才そうだ。だが、いくら頭が良くても力の前には無力だろ?そこでだ、俺が力を。お前が知能を持って協力すれば最強のチームになると思わないか?」
俺の言葉にゴートンは目を輝かせてた。
やはりヒヒは頭がいい。
こんなメリットしかない誘いを断るのは頭の悪い動物くらいだろう。
そして、ゴートンは案の定
「いいなそれ!!!お互いぼっちだしな!!!お前がいてくれれば怖いもの無しだぜ!ライオンと仲間になるヒヒなんて聞いた事ないしカッコいいな!!!ぼっち卒業だ!!!」
こうしてアッサリとヒヒであるゴートンを仲間にする事ができた。
彼を仲間にできたのはとてつもない幸運だ。
先程まで悲しんでいたが、俺のプライドへの道はすでに始まっていたのだ。




