第二章過去と家族その8
事件が終わった数日後、昂良は先の任務で拳銃を使用し、人を撃ったことによる精神的負担を考慮され、所属する組織の基地内でカウンセリングを受けることになった。カウンセリングルームには寝ころべるソファーやyogibo、観葉植物が置いてある。昂良はそのソファーに寝そべっていた。アスクレーピオスは向かいに座っていた。何か書き終えると、持っていた医療カルテを閉じた。
「これで終わりよ、お疲れ様。一週間後また来てね」
その言葉を聞いた昂良はソファーから立ち上がった。別れの挨拶をして部屋を出ようとしたが、何かを思い出して立ち止まり、振り返った。アスクレーピオスは眉をひそめた。
「自分たちの給料はだいたいいくらぐらいなのでしょうか。」
アスクレーピオスは少し時間をおいて「35万くらいじゃなかったかしら」と答えた。昂良は頷き、基地を出て自宅へ帰った。
台所には母親がいた。昂良はふと気になり、最近仕事について何か言っていたか尋ねてみた。
「ああ~なぜか知らないけど2年くらい前だったかしら、毎月20万振り込まれてくるのよ。だから(仕事に)行かなくてもいいかなって。最初は怖かったけど、何も問題が起きてないし使っているわ。」
2年前という言葉に、昂良は先程聞いた給料の話と結びつき、何か引っかかりを覚えて深く考え込んだ。ぴんときた彼は、母親に軽く声をかけると自室へ入った。彼は能力を使いチェンジと呼びかけた。
■精神世界■
目の前に慧が座っていた。まるで昂良の思考を読み取っていたかのように。昂良は数歩彼に近づいて尋ねた。
「さっきの話聞いていただろう。答えてくれ、金を毎回振り込んだのはお前だろ。正式に入ったのは二年前、丁度時期と合う。」
「何が言いたいんだ。」と慧は少し戸惑った様子で答えた。
「ただ感謝している。それだけだ。なあ、一つ聞くけど、残りの使い道を聞いてもいいか?」
「20万は家族に渡し、残りは貯金に回している。使い道はねえけどな。これからも支えてやるよ、弟。」
その言葉を聞いた昂良は、兄のような慧の過保護ぶりに少しイラッとしたが、彼の不器用な優しさを感じ取り、しばらくして2人で笑い合った。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
もし「面白かった」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、
ページ下の**【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】**
にして応援していただけると、執筆の励みになります! ブックマーク登録もぜひよろしくお願いします!




