ミーシャ1世
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「私たちの戦いは、人の血肉に対するものではなく、支配者たち、権威を持つ者たち、この暗黒の世界の支配者たち、そして、神の兵士だけが知る悪の霧の中にいる天上の悪霊に対する戦いなのです。」 エペソ人への手紙6章12節
ミーシャは黄ばんで擦り切れた本のページを読んだ。 世界で唯一 大切な本だ。彼は本を閉じ、そのシンプルさと美しさに感嘆した。黒い質感のある革に、唯一真の教会のシンボルが金色に象嵌されている。
ミーシャは東方正教会の十字架を指でなぞり、微笑んだ。キリストの心にしか見出せない安らぎと熱意がこみ上げてきた。ミーシャは聖書を脇に置き、緑のキャンバスバッグの横のポケットに丁寧にしまった。
自分が何をしなければならないかは分かっています。
ミーシャは、獣の刻印、邪悪な者の赤く霞んだオーラをまとったドイツ人運転手から奪い取った貨物トラックから降りた。神の兵士は、天使が告げた家へと歩みを進めた。そこは、悪の霊が両腕を広げて迎え入れられ、権力への渇望に抱かれ、人々の心を腐敗させた家だった。ベルリンの冷たい夜気がそよ風のように吹き抜け、ミーシャは真っ直ぐにその中を進んでいった。灰色のジャンプスーツの厚い生地は、暗い家へと向かう道を渡る彼をほとんど守ってくれなかった。その時、ある考えが浮かんだ。
以前ベルリンに行ったことがありますか？
頭に刺すような痛みが、その考えをすぐに消し去った。それは天使からの贈り物で、不要な考えが浮かぶたびに痛みを伴って彼を仕事に集中させていた。鈍感なミーシャは、そんな考えを何度も抱いていた。
彼は今、戸口に立っていた。頭が戸口の縁から出ていた。ミーシャは、記憶にある限り、決して小柄だったことはなかった。7フィート強の雄大な体躯は、神からの祝福であり、不浄なるものとの戦いにおいて、屈強で恐ろしい兵士となるためのものだった。幅広の体躯が戸口を暗くする中、ミーシャは大きな手を伸ばし、ドアノブを掴んだ。その巨大な手は小さな真鍮の球体を飲み込み、回した。
優しく押すと、小さなデッドボルトが閉まろうと必死に抵抗し、木がきしむ音がした。ミーシャは諦めて、金属製のノブを下向きに曲げ、手の中で外れるのを待つことにした。そして、むき出しになったノブに指を入れて左に押し、ドアの鍵を開けた。異教徒の住処へと足を踏み入れた。
中に入ると、ミーシャはその場所の匂いを嗅ぎつけた。温かく、歓迎してくれるような匂い。家ではなく、家の匂いだと彼は知っていた。しかし、ミーシャはどこでそんな匂いを覚えたのか思い出せなかった。再び頭がチクチクしてきて、思い出そうとするのをやめ、目の前の仕事に集中した。彼は巨体で許される限り静かに階段を上った。2階に着くと、部屋を一つずつ調べ、男、女、そして三人の子供が一緒に写っている写真の前を通り過ぎた。標的は男だった。忌まわしい存在、異教徒、神への冒涜だ。
ミーシャは、ベッドで女と眠る彼を見つけた。悪魔の力を宿す者を暗示する、憎しみに満ちた赤いオーラが、彼の周囲に漂っていた。ミーシャは胃が反抗的に震えるのを感じた。ロシア人は男の口を手で覆い、枕から頭を持ち上げ、もう片方の手を後頭部に置いた。異教徒は恐怖に目を見開いて目を覚ましたが、ミーシャは 首の骨が砕ける音 以外 に何も言わずに首をひねった。
ミーシャは彼を横たえた。彼の体からオーラが浄化され、仰向けではあったものの、うつ伏せのまま安らかに眠っていた。ミーシャは部屋を出て、そっとドアを閉め、階段へと降りていった。一歩踏み出す前に、ミーシャは廊下からかすかな物音を聞いた。
「ヴァティ？」小さな声が聞こえた。ミーシャは振り返ると、写真に写っていた小さな子供が、小さなクマを抱きかかえて廊下に立っているのが見えた。
子供もまたオーラを帯びていた。ミーシャは子供に向かって歩み寄ったが、子供は真の神の戦士を前にした悪魔たちと同じように、怯えた。
ミーシャは異教徒を床から引き抜き、空中に舞い上げた。口を手で塞ぎ、冒涜的な言葉を口に出せないようにした。彼は体をひねった。子供は彼の手から落ち、空虚な 音を立てて床に落ちた。
外に戻ると、ミーシャは貨物トラックに乗り込み、轟音を立ててエンジンをかけ、異教徒の巣窟から遠ざかるように車を走らせた。彼が走り去る時、遠くで女性の叫び声が聞こえた。
彼は見つけた一番近くの休憩所にトラックを停め、静かに福音書を読みたかったので、他の車から離れた場所に停めた。黄色い天井ランプが暗いトラックの車内を明るく照らし、ミーシャは大切な本を読むことができた。
「神よ、あなたは必ず悪人を殺される。それゆえ、血に染まった力よ、私から離れ去れ」 詩篇 139:19。
ミーシャは再び本を丁寧に片付け、光を遮断し、夜の休息に備えた。しかし、目を閉じるとすぐに、光が再び目を開けさせた。窓のすぐ外に、純白の光の球体として天使が現れた。
「ミーシャ」と叫び声は巨人を休息から引き離し、再び冷たいドイツの風の中へと連れ出した。「さあ、我が子よ。仕事はまだ終わっていないのだ」その甘美な声がミーシャの耳に響いた。
「使徒よ、主の御名において、私は何をすればよいのでしょうか？」彼はアスファルトの上に膝をついて、明かりに懇願した。
「また異教徒が私たちの神に逆らおうとしている。」天使は言った。
「彼の名前を教えてくれ、彼の顔を見せてくれれば、彼はもう息をしなくなるだろう。」ミーシャは光に懇願した。
「彼は韓国のアン・ジェユンだ。さあ、彼の悪党の顔を見ろ。」天使はミーシャの目の前に光を放ち、罪人の憎しみに満ちた醜悪な顔を浮かび上がらせた。ミーシャはハンサムな仮面の下に悪魔の影を見ることができた。その本性は目を見れば明らかだった。ミーシャは目を凝らし、そこに見えたのは悪だけだった。
「主が命じられたとおりに、そうしよう。」ミーシャは同意し、そして、天使は去っていきました。
ミーシャは急いで貨物トラックに戻り、エンジンをかけて再び道路へ走り去った。
異教徒や悪魔が神の地球を歩き回り、神の創造物を汚すとき、休む暇はありません...
