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異世界転生  作者: MSZ-006
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ユカさんと、瑞(みずき)、ポポと共に武器防具の一覧を眺めては、あーでもないこーでもないと話をしていると、外から聞き覚えのある音楽が聞こえて来た。


「お?来たな。兄ちゃん、さっきの爆弾の製作者が来たぜ」


前世で聞いた、懐かしい戦隊物のメロディーが外から大音量で流れて来る。


その音楽が終わり、店の扉が勢いよく開く。


「おっちゃん、来たよ〜」と店に入って来たのは、デニム生地のつなぎを着て足元を何度か捲り、メガネをかけた高めのツインテールを簪で留めた、そばかすが印象的な女の子だった。


「おう!この爆弾は、返品だ。お客に怒られたぞ?」


「え〜?!でも、スイカみたいな頭のキョンシーは、最後自爆したんだよ〜?」


「何だよ、そのスイカみたいな頭って?そんな事より、返品だ返品!」


「ちぇ、仕方無いな〜。じゃ、この装着爆弾は回収するよ。今度は、皆殺しの有名な監督が作った古いアニメみたいに、体内に爆弾を仕込む様な・・・」


「おい!ふざけるなよ!!その危険な発想をやめろ!」


俺は黙って聞いていられず、つい声を荒げてしまった。


「何?アンタ、誰?」


「お前の言ってる事に、我慢できなくて怒ってる転生者だよ」


「えっ?転生者?!マジで!?」


「リョウさん?転生者って、何の話ですか?」


「すみません、ユカさん。その件に関しては後で、お話します。お前、ちょっと来い。店主、すまないが、ちょっと外に出るぞ」


「痛っ!?何、ちょっと痛いってば!」


「お前、一体なにを考えてるんだ?そもそも、何でこんな事を言われてるのか、分かるか?」


「痛いってば、離してよ」と少女は、俺が掴んでいた腕を振りほどき、此方を睨みつける。


「誰、アンタ?転生者だからって、なに偉そうにしてる訳?それから、ボクには、ちゃんと名前があるんだからね」


「そうだな。名前は、大事だな。俺はリョウ、君の名前は?」


「・・・ボクは、囃子原めぐり」


「めぐりか、では先程の話に戻るぞ。何でこんなに、怒ってるか分かるか?」


「知らな〜い」


「君は、自分の大切な存在が、他者に傷つけれた時、怒らないか?」


「だって、此処はゲームの世界でしょう?ゾンビだって、キョンシーだって、他のモンスターだって、殺される為に存在してるんでしょう?それを、効率良く殺すのに、何の問題があるの?」


「君は、悲しい人間なんだな。前世にしろ今世にしろ、今知り合ったばかりだから、偉そうに言える立場じゃ無いとは思う。けど、君のやっている事は、生き物の尊厳を傷つける行為だ」


「ふん。だから、何?現実の世界でやってる訳じゃないし、ゲームの中なら何も問題ないでしょう?」


「もしそれが、現実世界で実行されたらどうなるか、君は考えた事があるか?」


「勿論あるわよ。ボクは、バカじゃないもん」


「なら、例えゲームの世界であっても、その世界で生きている存在だって居る事に気付けないか?転生者なら分かるだろう?この世界が、ひょっとしたらプログラムの世界で、俺を含めて生きている人間が全てプログラムだったら、そう考えたら君のしている事は、酷いとは思えないかな?」


下を俯いて、俺の言葉を聞いている少女が顔を上げた。


「こ゛め゛ん゛な゛さ゛い゛。うわ〜ん」


俺は泣いている少女の傍に近付いて、片膝を着いた。


「ごめんな。キツい言い方してしまって」


「うわ〜ん。ボクは、今まで何も考えずに酷い事をしてたんだ〜」


「此れで分かってくれたのなら、問題ないさ」


「うわ〜ん。お兄さん、ごめんね〜」


「うん。もう謝らなくて良いんだよ」


「びぇ〜ん」


「さ、ほら、もう泣かなくて良いからね?端から見てると、絵面がヤバい事になるから」


「・・・リョウさん?何でその子、そんなに泣いてるんですか?まさか、その子に暴力を振るったんですか?」


「ち、違います。ユカさん!誤解しないで下さい!?」


「わ〜ん」


「ちょっと?いい加減、泣きやんでくれないかな?流石に、通報されかねないんだけど?」と、オロオロしていると、めぐりが俺に抱き着いて来た。


「ちょ、ちょっと?!どうしたのかな?おぜうさん?」


「うふふ。ちょっと、仕返し!でも、さっきの言葉は凄く心に刺さる言葉だったよ。お兄ちゃん?」と、ペロッと舌を出しながら、耳元で可愛い笑顔を浮かべて囁く。


ちょ、ちょっと、耳元は駄目だよ?


「リョウさん。この子、さっきまで泣いてたのに、今度は抱き着いて。一体、なにをしたんですか?」


ユカさんの視線がとても冷たく、更に重苦しいプレッシャーを感じるのは、何故なんでせう?


ユカさんって、ニ◯ータイプだったっけ?


今、俺の脳内に『ピキィーン!』って、音が響いた気がしたよ?


こう言うの、何て言うんだっけ?


前門のケルベロス、後門の獄卒だったっけ?


赤い着物で、地獄に流す少女が「いっぺん、死んでみる?」って、囁いた気がした。


藁人形の赤い紐を解かれる前に、自首した方が良いのかな?




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