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ミリィさんの初萌後、魔法銃ルシファーを納めるホルスターも買った。
勿論、自腹だよ?
色々と種類が有ったが、腰の後ろに装着するタイプにした。
胴田貫は、俺の意思で帯刀したり手に持ったり出来るから、特に帯や吊金具は必要無かったし、今は次元収納に仕舞ってある。
因みに、異世界では御馴染み次元収納は、普通に誰でも使える能力で、魔力量によって荷物の収納量が変わる。
俺は、一般的な普通のサイズらしい。
10m³の空間だが、結構な収納量だよね。
買い物が終わると、結構な時間になっていた。
楽しい時間は過ぎるのが早い、腹減ったな。
「ミリィさん、夕飯はどうされるんですか?河野さんの所に戻られますか?」
「リョウ様は、空腹ですか?では、何処か店に入りましょう、御主人様は作り置きの料理が有りますので、大丈夫です」
ミリィさんは、俺がプレゼントしたメガネの右端を、クイッと上げながら此方を見る。
なんか仕草が、エロいな。
気に入って貰えたみたいで、本当に良かった。
「車を呼びます」
ミリィさんが、光学パネルを指で操作する。
すると車道に、超スピードのワニが幌車を引いて来た。
ワニ?
車って、言ったよね?
必要最低限の知識の中に車って存在してるし、ワニは車両扱いなの?馬と同じなの?
ミリィさんを見ていると、幌車に乗り込みながら、此方を見ている。
乗れと言う事らしい。
「リョウ様は、この世界に誕生されて間もないので、流行りのワニ車は、ご存知無いかと思います。どうぞ」
ミリィさんに促され、幌車に乗り込んでみる。
よくアニメとかで見る感じの幌車だな。
「此方の幌車、魔導装置を内蔵しており、空中以外は全て走破可能です。後、ワニですが施設の外に居るモンスターを、捕獲し飼育しております。テイマーにより躾けてありますので、人に危害を加える事はありません。御安心ください」
モンスターテイマーか。
「ワニ以外にも、居るんですか?」
「はい、存在します。ワニ以外の騎乗や輸送目的ですと、馬、鳥タイプが存在します。その他、ペットや戦闘補助等のモンスターも存在します」
「戦闘補助ですか?一緒に、戦ってくれる的な?」
お供してくれる、猫的な感じかな?
「はい、戦闘補助はモンスター以外にも、戦闘ロボットが存在しています」
戦闘ロボ、此れは絶対に欲しいな。
何せ俺は、ロボット大好きだからね。
「戦闘ロボットって、何処で購入出来ますか?」
「戦闘ロボットは、ロボットメーカーに行って、既存の物とオーダーメイドの物を選べますが、当然オーダーメイドの方が高くなります」
「そうなんですか、是非、戦闘ロボットが欲しいですね」
「現在のリョウ様の所持金では、オーダーメイドの戦闘ロボットは購入が出来ませんが、市販品なら問題無いかと思います。購入前に御覧になる分には、メーカーに行くのもありですね」
話していると、ワニが停まった。
「店に着きましたね」
幌車から出ると、ファミレス風の店の前だった。
前世のファミレスと、比べると異様にデカい。
「店内は、ペット同伴のコーナーも御座います。なので、この規模になります」
ペット同伴って、それはペットを飼っている人には嬉しい話だな。
店内に入ると、ペッ○ー君みたいなロボットが近付いて来る。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」と、前世のファミレスと変わらないやり取りをする。
席に案内され、座るとテーブルからディスプレイが出現する。
このディスプレイで、好きな物を注文するらしい。
「ミリィさん、夕飯をご一緒して貰うので、ご馳走しますよ。好きな物を注文して下さい」
この世界の支払い方法は、己の光学パネルの情報が、店内に入ると読み取られ、購入すれば自動で支払いが済まされる。
「有難う御座います。リョウ様、では遠慮なく注文させて頂きます」
この世界の料理は初めてなので、非常に楽しみだ。
テーブルのディスプレイを色々と眺めて見ると、説明は書かれているが、よく分からん物がある。
骨付き魔獣肉焼き(キラーバッファローを骨付きで、こんがり焼きました。)
何だこれ?
珈琲付きのライスセットで、お値段1980円。
気になるから、コレを注文しよう。
ミリィさんも、注文が決まった様だ。
お互いのディスプレイが、机から消滅する。
程なくして、先程のペ○パー君が、ワゴン車を押してやって来た。
○ッパー君が、「お待たせしました。御注文の骨付き魔獣肉焼き、ライスセットとマッドキラー・ビーのハニートースト紅茶セットを、お持ちしました」と言って、テーブルの上に料理を置いてくれる。
いやはや、デカいマンガ肉だよ。
実物は、初めて見たよ。
滅茶苦茶、テンション上がるね。
ミリィさんの料理は、普通のハニートーストとティーポットだね。
只、ちょっとサイズがデカいな。
パンが、人の頭の二人分程ある。
その上に、タップリ蜂蜜が掛かっている。
ミリィさん、全部食べれるの?
いや、俺もそうか。
「頂きます」
ミリィさんが、ナイフとフォークを手に持って食べ始めた。