表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生  作者: MSZ-006
7/47


「此方が武器屋になります。武器だけで無く、防具やアクセサリー等も揃っていますので、お勧めです」


冒険者ギルドがある異世界、そりゃ武器屋とかもあるよね。


ホームセンターの様な武器屋を見ると、獣耳と尻尾が付いてる男の獣人と、身体が透けて半透明な、女ゴーストの若いカップルが居る。


二人で同じ装備を着けて、何やら楽しそうに笑って商品を眺めている。


装備で、ペアルックか?


リア充、爆発しろ!


「チッ、仲が良いカップルですね」


ミリィさんが、無表情で武器屋を眺める。


あれ?


舌打ち?


「私は御主人様から、プレゼントを貰った事なんてありません。リョウ様、恋人にプレゼントの一つも渡さない男って、どう思われますか?」


うわぁ~、恋人の愚痴が始まったよ。


「いやぁ~、俺だったら記念日とかは、プレゼント渡しますね。まぁ、金があればですけど」


「そうですか。そうですよね。言い忘れていましたが、リョウ様には支給金として、現在100万円が入金されています」


「100万?支給金って、そんなに貰えるんですか?」


「はい。毎月100万円が、1年間振り込まれます。此れは施設に保護された者に、必ず適用されるものです」


マジか?


今の俺、超金持ちじゃん?


「ミリィさん、武器の所持は冒険者登録してないと、駄目なんですか?」


「いいえ、基本的に施設や街の外に出るならば、武器防具を身に着けますので、所持は違法ではありません」


「じゃ、武器屋に寄っても良いですか?」


「はい、構いませんよ」


前世で武器の所持は、違法行為になりかねない世界だったからね。


新しく始まる冒険の為に、装備品を調達しよう。


「うわ、スゲぇいっぱい武器がある」


目を輝かせ子供みたいな反応だが、ホームセンターみたいな店内に、様々な武器防具が陳列されている。


何が良いかな、やっぱり銃かな?


剣と魔法の世界ってのも、悪くないな。


「宜しければ装備品を、お見立てしましょうか?」


アッチにウロウロ、コッチにウロウロする俺に、ミリィさんが声を掛けてくれる。


「はい、お願いします」


「何か好きな物は、ありますか?」


「銃は好きですね。後、刀も好きです」


前世では数えると直ぐ終わるマトモな人間に、居合道の先生が居た。


この先生、近所の子供に無料で、居合道を教えてくれる先生だった。


覚えの悪い俺に、決して怒らず褒めて教えてくれた。


才能とは、同じ事を飽きずに続けられる事だと先生は言って、お前は才能があると褒めてくれた。


俺は褒めて貰えるのが嬉しくて、よく先生の所に通っていた。


禄に面倒をみず放置し、我が子に関心を持たない親の側に居たく無かった。


でも、俺が中学生の時に、先生は亡くなってしまった。


先生の前では笑顔の時もあったが、それが無くなる。


無表情で居て、出来るだけ一人で過ごす。


前世で、俺が人前で楽しそうに笑ったのは先生が最後じゃ無いかな?


「銃と刀ですか・・・」


なんか、考え込んじゃった。


ミリィさんが、光学パネルを出現させ、指で操作する。


「此方は、如何ですか?」


ミリィさんがそう言うと、自動で動くカートが近寄って来た。


カートの上には、黒いオートマチック拳銃が1丁と、黒鞘で柄頭が少し丸みを帯びた刀が置いてある。


カッコいい。


最初の感想は、これだった。


「手に持っても、大丈夫ですか?」


「はい、手に取って感触を確かめて下さい」


では先ず、オートマチック拳銃から。


好きとは言ったが、拳銃に詳しい訳じゃない。


好きなアニメの主人公が、使っている銃が好きってだけだ。


手に持つと、グリップが手に吸い付く様な感じで、重さを感じない。


何だろう?


不思議な感覚がする。


何ていうか、運命の出会い?


そんな感じだ。


「名前は魔法銃ルシファー、弾丸は使用者の魔力を使用し、余程の事が無い限り、オートリペアで修復する逸品です」


スゲぇ、コレ欲しいな。


「でも、お高いんでしょう?」


「はい、代金は御主人様に付けておきますので、気に入ったのならば購入して下さい」


「え?いや、河野さんに確認取らないと不味く無いですか?」


「良いんです。恋人にプレゼントの1つも寄越さない人間には、良い罰になります。後、購入前に試射も可能です」


マジで?


試し撃ち出来るの?


「じゃ、試射します」


ミリィさんが、光学パネルを指で操作すると、正面の陳列棚が無くなり長い廊下の様な場所になる。


奥の方に、ターゲットが設置されている。


大体、100メートル位かな?


ミリィさんは、俺の後ろに立ち「どうぞ」と声を掛けてくれる。


銃なんて撃った事が無いが、取り合えず左足を前に出し構えてみる。


ターゲットを見ると、目の前にあるかの様に見える。


あれ?


こんなに近かった?


息を吸い込み、引き金を引く。


チュンと、鋭い音がしてターゲットの、ど真ん中に命中する。


「お見事。その銃は、リョウ様を気に入った様ですね」


え?


俺が気に入るじゃ無くて、銃が俺を気に入る?



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ