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異世界転生  作者: MSZ-006
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さっきの話から考えて、施設と聞けば建物を想像するよね?


俺は、建物を想像してた。


「・・・街だ」


「違います。施設です。施設内に街があります」


うん。


普通に考えると、街の中に施設があるよね?


あれ?


違ったっけ?


部屋から一歩、外に出たら街だった。


それは、まぁ建物から出れば、街の中ってのも頷ける。


でも、俺が出て来た場所が、見当たらない。


扉とか、開いた覚えもない。


「魔法科学による、転移です」


おぉ~、魔法科学!


流石、異世界。


やべぇ、ウキウキしてきた。


後は、ウォッチングだね。


お昼休みじゃ、無いけど。


キョロキョロ周りを見ていると、ミリィさんに「行きますよ」と促される。


ミリィさんの後を歩いていると、ミリィさんが色々と説明してくれる。


「此方に見えますのが、図書館です。様々な文献を、取り揃えています。他にも、映像資料等もあります。全て無料で、閲覧可能です。但し破損した際は、弁償金が掛かりますので、御注意下さい」


ふむ、図書館で色々な資料を漁るのも、悪くないな。


何せ必要最低限の知識しか、無い状態だからな。


情報収集は、大事だ。


「次に、此方を御覧ください。此方は施設ランドです。様々なアトラクションやテーマパークをメインに営業しています。お土産等のお買い物は、此方を御利用されると全国的にも有名な為、大変喜ばれます」


観光ガイド宜しく、説明してくれるミリィさん。


何気なく横顔を眺めると、全く表情が変わらない。


でも、不気味な感じは一切しない。


美人だな、と思う。


声も凄く綺麗な声で、まるで声優さんが喋っているのかと思う。


声優さんを、起用してるのか?


あの中年、本当に変態だな。


狙った様に、俺の好みを突いてくる。


ミリィさんに、「クッ、殺せ!」とか言わせてみたい。


「・・・リョウ様、私に対して不穏な思考をされている気がします。セクハラで訴えますよ?」


立ち止まり、俺の顔をジッと見つめながら言う。


「ミリィさんは、とても可愛いと思いますが、笑顔をまだ見れていないのが非常に残念です」


「私の清楚で可憐な、可愛い笑顔が見たいだなんて、セクハラですか?訴えますよ?」


ちょっと待って、可愛いと言ったが清楚と可憐は言って無いし、何より訴えますよ?って、口癖なの?それとも、流行りなの?


「因みに、訴えますよ?は、口癖でも、流行りでもありません」


まさか、心を読まれた?


「心を読んだ訳では無く、表情を見ていれば、大体の事は察しが付きます。先程も、私の顔を劣情を抱く瞳で、見ていましたね。目で犯されたと、訴えますよ?」


「ごめんなさい。決して、そんな思考はしていません」


「そうですか、私には全く魅力が無いと、そう仰るのですね?」


「いえ、あの、そんな事は無いですよ?ミリィさんは、とても魅力的だし、可愛いですよ?」


「有難う御座います。ですが、もう少し語彙力を鍛えた方が、女性に喜ばれると思います」


ミリィさんの表情がフッと、柔らかくなった気がする。


今、笑った?


微笑んだ?


何?デレちゃったの?


「別に、デレた訳ではありません。ちょっとした、冗談です」


「やっぱり、思考を読まれてる」


「違います。表情から、判断しただけです」


何故、思考がバレる。


前世じゃ、常にポーカーフェイスだった筈なのに。


いや、ポーカーフェイスと言うよりは、無表情だったな。


年齢を重ねるごとに、人と接する時は、出来るだけ感情を殺して、表に出さない様にしていた。


人と関わる事が、面倒臭かったし、何より一人で居る事が楽だった。


でも、この世界は楽しい。


表情に、出てしまうのも仕方無い。



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